リコンビナントヒトBMP-2をポリ乳酸グリコール酸共重合体/ゼラチンスポンジ複合体に配合してラット口蓋部骨膜下に移植した場合の骨形成に対する加齢の影響

本研究は, 免疫原性が少なく臨床応用の可能性が高いリコンビナントヒトBMP-2 (rhBMP-2) による骨形成が加齢によりどのような影響を受けるかを知る目的で, 担体としてポリ乳酸グリコール酸共重合体/ゼラチンスポンジ複合体 (PGS) を用い, 10週齡, 30週齡, 70週齡のラット (計36匹) の左右側の口蓋部骨膜下を実験部位 (N=72) とし, 何も移植しない群 (CN群), PGSのみを移植した群 (CI群), rhBMP-2配合PGSを移植した群 (E群) に分け移植実験を行った。6週後に病理組織学的観察を行うとともに, 新生骨の厚さを組織学的に計測した。その結果, いずれの...

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Published in日本歯周病学会会誌 Vol. 41; no. 4; pp. 380 - 391
Main Authors 松本, 敦至, 加藤, 熈, 山路, 公造
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯周病学会 1999
日本歯周病学会
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ISSN0385-0110
1880-408X
DOI10.2329/perio.41.380

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Summary:本研究は, 免疫原性が少なく臨床応用の可能性が高いリコンビナントヒトBMP-2 (rhBMP-2) による骨形成が加齢によりどのような影響を受けるかを知る目的で, 担体としてポリ乳酸グリコール酸共重合体/ゼラチンスポンジ複合体 (PGS) を用い, 10週齡, 30週齡, 70週齡のラット (計36匹) の左右側の口蓋部骨膜下を実験部位 (N=72) とし, 何も移植しない群 (CN群), PGSのみを移植した群 (CI群), rhBMP-2配合PGSを移植した群 (E群) に分け移植実験を行った。6週後に病理組織学的観察を行うとともに, 新生骨の厚さを組織学的に計測した。その結果, いずれの週齢のCN群, CI群, E群とも新生骨の形成が観察され, 既存骨とほとんど一体化していた。各週齡の骨新生量は, CN群, CI群, E群のいずれの群も10週齡が最も多く, 次いで30週齡, 70週齡の順で加齢に伴って減少していた。各週齢における各群間の骨新生量は, いずれの週齢もE群の方がCN群およびCI群に比べ有意に多かった。以上の結果から, 中高齢で骨代謝が低下したラットにおいてもrhBMP-2配合PGSを移植することにより, 既存骨と連続して新生骨を添加, 増生させることが可能であり, その量は加齢に伴い減少することが示された。
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.41.380