歯周病患者血清中の総ハイドロオキシプロリン量について

歯周病の診断, 治療効果の判定のため種々の指数1~4)が用いられているが, これらは再現性, 定量性, 客観性において不十分なものが多い. そこで著者らは歯周病診断の客観的指標の開発を目的として, 歯周組織の炎症の評価法として唾液中白血球数5), 歯周病の感染の評価法として末梢血白血球のNBT還元率の利用6)などについて報告した. 歯周組織, 特にその主たる構成成分であるコラーゲンの破壊の程度を臨床的に評価することができれば, 歯周病の診断に大いに役立つはずである. Prockop, Kivirikkoら7~10)によると, コラーゲンの分解に伴ってコラーゲンに特異なアミノ酸であるハイドロオキ...

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Published in日本歯周病学会会誌 Vol. 21; no. 2; pp. 158 - 164
Main Authors 久保田, みどり, 秀衡, 泰子, 白根, 忠, 内田, 武志, 穴村, 紳一, 岡本, 莫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯周病学会 1979
日本歯周病学会
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ISSN0385-0110
1880-408X
DOI10.2329/perio.21.158

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Summary:歯周病の診断, 治療効果の判定のため種々の指数1~4)が用いられているが, これらは再現性, 定量性, 客観性において不十分なものが多い. そこで著者らは歯周病診断の客観的指標の開発を目的として, 歯周組織の炎症の評価法として唾液中白血球数5), 歯周病の感染の評価法として末梢血白血球のNBT還元率の利用6)などについて報告した. 歯周組織, 特にその主たる構成成分であるコラーゲンの破壊の程度を臨床的に評価することができれば, 歯周病の診断に大いに役立つはずである. Prockop, Kivirikkoら7~10)によると, コラーゲンの分解に伴ってコラーゲンに特異なアミノ酸であるハイドロオキシプロリン(以下ハイプロと略記)が血中, 尿中へ遊離する. プロリンは直接水酸化されハイプロになることはなく, 必ずコラーゲン分子に合成された後水酸化されることから, 血中及び尿中のハイプロ量はコラーゲンの分解産物と考えることができる. すなわち, コラーゲンの合成量が安定している状態においては, 血中あるいは尿中のハイプロ量を測定することによりコラーゲンの分解量を知ることができるとしている.
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.21.158