骨髄腫の脊椎病変に対する治療経験
当科にて2001年以降に診断・治療を行った骨髄腫症例8例を検討した.入院時年齢は平均64歳(35~78歳),男性5例,女性3例であった.内訳は多発性骨髄腫7例,孤立性骨髄腫1例で,手術治療を行ったのは,多発性骨髄腫4例,孤立性骨髄腫1例であった.手術レベルは4例が胸椎,1例は腰椎であり,胸椎は椎弓切除+後方固定術,腰椎は椎弓切除が施行されていた.術前Frankel Bの症例は術後も神経学的回復は無くADL回復は得られなかった.8例中6例は診断確定後3ヶ月~3年10ヶ月で死亡した.骨髄腫は血液悪性疾患のため病態が複雑であり,予後予測は困難であった.しかし多発性骨髄腫に対する新薬治療により今後患者...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 61; no. 3; pp. 468 - 472 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
25.09.2012
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.61.468 |
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Summary: | 当科にて2001年以降に診断・治療を行った骨髄腫症例8例を検討した.入院時年齢は平均64歳(35~78歳),男性5例,女性3例であった.内訳は多発性骨髄腫7例,孤立性骨髄腫1例で,手術治療を行ったのは,多発性骨髄腫4例,孤立性骨髄腫1例であった.手術レベルは4例が胸椎,1例は腰椎であり,胸椎は椎弓切除+後方固定術,腰椎は椎弓切除が施行されていた.術前Frankel Bの症例は術後も神経学的回復は無くADL回復は得られなかった.8例中6例は診断確定後3ヶ月~3年10ヶ月で死亡した.骨髄腫は血液悪性疾患のため病態が複雑であり,予後予測は困難であった.しかし多発性骨髄腫に対する新薬治療により今後患者の生命予後が改善することが予想され,患者のADL改善のため今後更に整形外科医と内科医の連携が重要になると考えられた. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.61.468 |