いわゆるfar-out症候群の1例

第5腰神経がL5/S1椎間孔外で,椎体骨棘や靱帯組織,膨隆椎間板などにより絞扼される病態は,「いわゆるfar-out 症候群」もしくは「椎間孔外狭窄症」と呼称されている.診断には,単純レントゲンや神経根造影などが有用とされているが確立した診断方向はない.今回,我々は第5腰神経絞扼症状を呈し,神経根造影後CTにより「いわゆるfar-out症候群」と診断し得た症例を1例経験した.直視下に後方アプローチで侵入し,椎間関節外側を切除して椎間孔外側に至り,神経根背側の絞扼因子であるL5横突起下縁および仙骨翼の一部,神経根背側の靱帯組織(lumbosacral ligament; LSL)を切除し良好な治...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 61; no. 3; pp. 547 - 550
Main Authors 肱岡, 昭彦, 元嶋, 尉士, 戸羽, 直樹, 古川, 佳世子, 岡田, 祥明, 中井, 健一郎, 古子, 剛, 福田, 文雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2012
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.61.547

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Summary:第5腰神経がL5/S1椎間孔外で,椎体骨棘や靱帯組織,膨隆椎間板などにより絞扼される病態は,「いわゆるfar-out 症候群」もしくは「椎間孔外狭窄症」と呼称されている.診断には,単純レントゲンや神経根造影などが有用とされているが確立した診断方向はない.今回,我々は第5腰神経絞扼症状を呈し,神経根造影後CTにより「いわゆるfar-out症候群」と診断し得た症例を1例経験した.直視下に後方アプローチで侵入し,椎間関節外側を切除して椎間孔外側に至り,神経根背側の絞扼因子であるL5横突起下縁および仙骨翼の一部,神経根背側の靱帯組織(lumbosacral ligament; LSL)を切除し良好な治療成績を得たため,文献的考察を加えて報告する.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.61.547