歯周治療の長期観察について

本研究では, 10年以上の歯周処置およびメインテナンス期間をもつ被験者を選び, X線写真を分析し, 歯周治療の長期経過を検討した。被験者は, 1名の若年性歯周炎, 2名の急速進行性歯周炎, 43名の成人性歯周炎患者であり, 初診時の平均年齢は42.3歳, 平均治療期間は14.1年であった。各歯の有無, および各歯の近遠心面での骨吸収量を測定した。平均残存歯数は初診時が27.4歯, 現在が24.7歯であった。年平均0.6歯以上喪失した患者は4名, . 0.3~0.6歯は5名, 0.3歯以下は37名であった。喪失した歯種としては, 臼歯に多く, 左本研究では, 10年以上の歯周処置およびメインテナ...

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Published in日本歯周病学会会誌 Vol. 37; no. 2; pp. 384 - 391
Main Authors 小関, 健由, 石川, 烈, 杉山, 榮一, 坂東, 薫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯周病学会 1995
日本歯周病学会
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ISSN0385-0110
1880-408X
DOI10.2329/perio.37.384

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Summary:本研究では, 10年以上の歯周処置およびメインテナンス期間をもつ被験者を選び, X線写真を分析し, 歯周治療の長期経過を検討した。被験者は, 1名の若年性歯周炎, 2名の急速進行性歯周炎, 43名の成人性歯周炎患者であり, 初診時の平均年齢は42.3歳, 平均治療期間は14.1年であった。各歯の有無, および各歯の近遠心面での骨吸収量を測定した。平均残存歯数は初診時が27.4歯, 現在が24.7歯であった。年平均0.6歯以上喪失した患者は4名, . 0.3~0.6歯は5名, 0.3歯以下は37名であった。喪失した歯種としては, 臼歯に多く, 左本研究では, 10年以上の歯周処置およびメインテナンス期間をもつ被験者を選び, X線写真を分析し, 歯周治療の長期経過を検討した。被験者は, 1名の若年性歯周炎, 2名の急速進行性歯周炎, 43名の成人性歯周炎患者であり, 初診時の平均年齢は42.3歳, 平均治療期間は14.1年であった。各歯の有無, および各歯の近遠心面での骨吸収量を測定した。平均残存歯数は初診時が27.4歯, 現在が24.7歯であった。年平均0.6歯以上喪失した患者は4名, . 0.3~0.6歯は5名, 0.3歯以下は37名であった。喪失した歯種としては, 臼歯に多く, 左右両側性の傾向がみられた。骨吸収量に関しては, 初診時に比べてメインテナンスの最終受診時において, どの歯種でも有意に骨吸収は増加していた。しかしながら今回の結果より, 歯周および正しいメインテナンス治療を行うことが成人の歯の保存に有用であり, そして“8020”の達成に有効であることが示唆された。右両側性の傾向がみられた。骨吸収量に関しては, 初診時に比べてメインテナンスの最終受診時において, どの歯種でも有意に骨吸収は増加していた。しかしながら今回の結果より, 歯周および正しいメインテナンス治療を行うことが成人の歯の保存に有用であり, そして“8020”の達成に有効であることが示唆された。
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.37.384