超電解イオン水のプラーク形成抑制効果について
本研究の目的は, 超電解イオン水の洗口によるプラーク形成抑制効果を検討することである。臨床的に健康な歯周組織を有する7名 (男性4名, 女性3名) を被験者とし, 実験開始にあたって全顎のGingival Index (GI) および上顎両側犬歯の歯肉溝滲出液 (GingivalCrevicularFluid: GCF) 量の診査を行いエアーポリッシャーおよびハンドスケーラーにより全歯面上のプラークを除去した。口腔清掃を停止し, 洗口 (1日4回, 約150mlにて1分間) のみを4日間行った。2日および4日後に上顎両側小臼歯の頬側の歯肉縁上プラークを採取し, 歯面上の生菌数をColony f...
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Published in | 日本歯周病学会会誌 Vol. 40; no. 1; pp. 126 - 131 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
1998
日本歯周病学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0385-0110 1880-408X |
DOI | 10.2329/perio.40.126 |
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Summary: | 本研究の目的は, 超電解イオン水の洗口によるプラーク形成抑制効果を検討することである。臨床的に健康な歯周組織を有する7名 (男性4名, 女性3名) を被験者とし, 実験開始にあたって全顎のGingival Index (GI) および上顎両側犬歯の歯肉溝滲出液 (GingivalCrevicularFluid: GCF) 量の診査を行いエアーポリッシャーおよびハンドスケーラーにより全歯面上のプラークを除去した。口腔清掃を停止し, 洗口 (1日4回, 約150mlにて1分間) のみを4日間行った。2日および4日後に上顎両側小臼歯の頬側の歯肉縁上プラークを採取し, 歯面上の生菌数をColony forming unit (CFU) により調べた。また, 4日後のGI, GCF unitsおよび全顎のPlaque Index (PlI) の変化も検討した。コントロールとして, ポビドンヨード, 生理食塩水を用いた。4日目のGIにおいては, 超電解イオン水では生理食塩水に比べ有意に低い値を示した。一方, 4日目のPlIは, 超電解イオン水では, 生理食塩水と同程度であり, ポビドンヨードに比べ有意に高いプラーク付着を示した。GCF量に関しては, 各被験液間で有意な差はみられなかった。超電解イオン水における2日目のCFUは, ポビドンヨードと同様, 生理食塩水に比べ有意に低い値を示した。4日目におけるCFUは, 各被験液間で有意な差はみられなかった。以上のことから洗口剤として超電解イオン水を使用した際, 2日目においてはポビドンヨードと同様の殺菌作用を示すが, 4日目においてはいずれも殺菌作用は低く, また超電解イオン水のプラーク形成抑制作用はポビドンヨードよりもやや劣ると思われる。 |
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ISSN: | 0385-0110 1880-408X |
DOI: | 10.2329/perio.40.126 |