乳児Coronary A-V fistulaの2症例
先天性冠状動脈瘻の2乳児例を報告する. 患者1は肺炎に罹患しやすく, 呼吸困難及び発育不良のため入院. 生後8ヵ月の心血管造影及び心カテーテル検査で, 右冠状動脈が著明に拡張蛇行して右室後壁に入る冠状動脈瘻で, 左右短絡率は59%であることが証明された. 繰り返す呼吸器感染症のため手術時期が遅れたが, 13ヵ月体重5,500g(標準体重9,100g)の時手術施行した. 手術後は順調で発育良好である. 患者2は心雑音を指摘され来院. 生後6ヵ月の心血管造影で, 左冠状動脈が右房に入る冠状動脈瘻, 左右短絡率33%であることが診断された. 短絡率が低いので手術をしないで経過観察中である. 2症例共...
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Published in | 医療 Vol. 30; no. 4; pp. 357 - 364 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 国立医療学会
1976
医療同好会 |
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Summary: | 先天性冠状動脈瘻の2乳児例を報告する. 患者1は肺炎に罹患しやすく, 呼吸困難及び発育不良のため入院. 生後8ヵ月の心血管造影及び心カテーテル検査で, 右冠状動脈が著明に拡張蛇行して右室後壁に入る冠状動脈瘻で, 左右短絡率は59%であることが証明された. 繰り返す呼吸器感染症のため手術時期が遅れたが, 13ヵ月体重5,500g(標準体重9,100g)の時手術施行した. 手術後は順調で発育良好である. 患者2は心雑音を指摘され来院. 生後6ヵ月の心血管造影で, 左冠状動脈が右房に入る冠状動脈瘻, 左右短絡率33%であることが診断された. 短絡率が低いので手術をしないで経過観察中である. 2症例共に胸骨左縁第3肋間に最強点をもつ連続性心雑音が聴かれたことが本症の診断の手がかりとなつた. |
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ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
DOI: | 10.11261/iryo1946.30.357 |