C型慢性肝炎に対するインターフェロンα-2bとリバビリン併用療法におけるヘモグロビン減少に関する検討

緒言 C型慢性肝炎に対するインターフェロン(IFN)療法が, 1992年に導入されてから10年以上が経過した. 日本人の場合, C型肝炎ウイルス(HCV)の遺伝子型がgenotype1bでHCV-RNA量が分岐鎖DNAプローブ法で1Meq/mL以上, またはアンプリコア定量法で100KIU/mL以上あるIFN難治性症例が多く, これまで林ら1)や加藤ら2)〕, 奥新らなど3,4)によりIFN療法における投与方法の工夫が行われてきた. 1998年にMcHutchisonら5)やPoynardらなど6,7)が, C型慢性肝炎患者に対してリバビリンとIFNα-2bの併用療法とIFNα-2b単独療法で...

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Published in医療薬学 Vol. 30; no. 1; pp. 53 - 58
Main Authors 島田, 志美, 斎藤, 誠, 西田, 真佐夫, 加藤, 道夫, 長谷川, 健次
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 2004
日本医療薬学会
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.30.53

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Summary:緒言 C型慢性肝炎に対するインターフェロン(IFN)療法が, 1992年に導入されてから10年以上が経過した. 日本人の場合, C型肝炎ウイルス(HCV)の遺伝子型がgenotype1bでHCV-RNA量が分岐鎖DNAプローブ法で1Meq/mL以上, またはアンプリコア定量法で100KIU/mL以上あるIFN難治性症例が多く, これまで林ら1)や加藤ら2)〕, 奥新らなど3,4)によりIFN療法における投与方法の工夫が行われてきた. 1998年にMcHutchisonら5)やPoynardらなど6,7)が, C型慢性肝炎患者に対してリバビリンとIFNα-2bの併用療法とIFNα-2b単独療法での臨床比較試験を行い, 併用療法の高い治療効果と安全性について報告した. 現在, 欧州肝臓学会(EASL)やアジア太平洋肝臓学会(APASL)などにおいて併用療法を標準的治療法としている. わが国でも1998年から2000年にかけて行われた臨床比較試験の結果8,9), 2001年にリバビリンが保険適応になり, C型慢性肝炎に対するIFN療法は, IFN単独療法からIFNとリバビリンの併用療法という新しい時代になった.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.30.53