論文 7 鈍的外傷による気道狭窄(気管支狭窄の診断と治療)

鈍的外傷による気管気管支損傷は過去11年間に10例経験したが、5例に対して気管支ファイバースコープが行われ、うち3例に経過中気道狭窄を認めた。症例1 : 受傷直後気管分岐部出血あり。3ヶ月後同部の瘢痕性狭窄を認めた例。症例2 : 受傷直後気管支鏡では無所見だが、1週間後、右中主幹の浮腫性狭窄とそれに伴う右中下葉無気肺を認め、約3週間の経過で同部は瘢痕性変化を示すようになった。症例3 : 右上葉支損傷の手術後3日目に同部の浮腫性狭窄を認めた。考案 : 外傷に伴う気管気管支損傷は受傷数日 1週間で浮腫性変化を、約3週間ないしそれ以上の経過で瘢痕性変化を呈すると思われる。従って気道損傷の疑われる胸部...

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Published inJournal of Japan Society for Bronchology Vol. 1; pp. 47 - 53
Main Authors 沢田, 祐介, 杉本, 侃, 吉岡, 敏治, 高橋, 道知, 大橋, 教良, 杉本, 寿
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会 1979
The Japan Society for Respiratory Endoscopy
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ISSN2433-0078
DOI10.18907/jjsb.1.0_47

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Summary:鈍的外傷による気管気管支損傷は過去11年間に10例経験したが、5例に対して気管支ファイバースコープが行われ、うち3例に経過中気道狭窄を認めた。症例1 : 受傷直後気管分岐部出血あり。3ヶ月後同部の瘢痕性狭窄を認めた例。症例2 : 受傷直後気管支鏡では無所見だが、1週間後、右中主幹の浮腫性狭窄とそれに伴う右中下葉無気肺を認め、約3週間の経過で同部は瘢痕性変化を示すようになった。症例3 : 右上葉支損傷の手術後3日目に同部の浮腫性狭窄を認めた。考案 : 外傷に伴う気管気管支損傷は受傷数日 1週間で浮腫性変化を、約3週間ないしそれ以上の経過で瘢痕性変化を呈すると思われる。従って気道損傷の疑われる胸部外傷では受傷直後、1週間目、3週間目に気管支ファイバースコープを行うのが診断上有用である。
ISSN:2433-0078
DOI:10.18907/jjsb.1.0_47