コンピュータを活用した健康教育が食事および身体活動に及ぼす効果

目的:コンピュータを用いた健康教育が参加者の生活習慣に与える影響について検討した. 方法:生活習慣改善を希望する15名の中高年男女を対象に,コンピュータを用いた健康教育プログラムを6か月間実施した.プログラムでは,参加者が生活習慣の改善目標と毎月の計画を立て,管理栄養士のサポートのもとで計画を実践した.本研究では参加者の身体活動,食事,体重,日記記録回数,管理栄養士のサポートについて評価し,加えて参加者と管理栄養士には目標達成状況,プログラムの使い易さ,プログラムに対する感想についてアンケート調査を行った. 結果:14名の参加者がプログラムを終了した.6か月後には参加者の中等度及び強い身体活動...

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Published in日本健康教育学会誌 Vol. 17; no. 2; pp. 97 - 108
Main Authors 中出, 麻紀子, 廣田, 晃一, 江崎, 治, 饗場, 直美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本健康教育学会 2009
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Summary:目的:コンピュータを用いた健康教育が参加者の生活習慣に与える影響について検討した. 方法:生活習慣改善を希望する15名の中高年男女を対象に,コンピュータを用いた健康教育プログラムを6か月間実施した.プログラムでは,参加者が生活習慣の改善目標と毎月の計画を立て,管理栄養士のサポートのもとで計画を実践した.本研究では参加者の身体活動,食事,体重,日記記録回数,管理栄養士のサポートについて評価し,加えて参加者と管理栄養士には目標達成状況,プログラムの使い易さ,プログラムに対する感想についてアンケート調査を行った. 結果:14名の参加者がプログラムを終了した.6か月後には参加者の中等度及び強い身体活動の実施時間と10分以上の歩行を行う日数が有意に増加した.また,調理法では鍋物と蒸し物の頻度が有意に増加した一方で,揚げ物と炒め物の頻度は有意に減少していた.目標達成者と目標非達成者を比較したところ,目標達成者ではプログラムの機能を多く活用し,管理栄養士がサポートに費やす時間も長く,体重も多く減少していた.管理栄養士の多くは本プログラムが健康教育において有用であると回答したものの,非対面であるため参加者の反応をつかみにくいという意見も得られた. 結論:コンピュータを活用した健康教育プログラムによって参加者の生活習慣が改善し,このプログラムの機能の継続的かつ積極的な利用が目標達成に必要であることが示唆された.
ISSN:1340-2560
1884-5053
DOI:10.11260/kenkokyoiku.17.97