長野県北信地域における2009-2010シーズン小児新型インフルエンザ入院症例の臨床的検討
『I はじめに』 2009年4月にメキシコから流行が認織されたPandemic influenza(H1N1)2009(以下新型インフルエンザ)は, 日本では2009年5月に第1例を確認した後, 一旦小康状態に入ったものの, 8月中旬から約半年間にわたって大流行した1). これは, 1968年にAH2N2アジア型からAH3N2香港型へと不連続抗原変異を起こして以来の, 不連続抗原変異による新型インフルエンザの大流行(パンデミック)だった. 厚生労働省の統計では1), 2009年5月から2010年3月30日までの日本の新型インフルエンザによる入院患者の累計は17,646人で, その内13,981...
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Published in | 信州医学雑誌 Vol. 59; no. 4; pp. 229 - 237 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
信州医学会
2011
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0037-3826 |
DOI | 10.11441/shinshumedj.59.229 |
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Summary: | 『I はじめに』 2009年4月にメキシコから流行が認織されたPandemic influenza(H1N1)2009(以下新型インフルエンザ)は, 日本では2009年5月に第1例を確認した後, 一旦小康状態に入ったものの, 8月中旬から約半年間にわたって大流行した1). これは, 1968年にAH2N2アジア型からAH3N2香港型へと不連続抗原変異を起こして以来の, 不連続抗原変異による新型インフルエンザの大流行(パンデミック)だった. 厚生労働省の統計では1), 2009年5月から2010年3月30日までの日本の新型インフルエンザによる入院患者の累計は17,646人で, その内13,981人が15歳未満の小児だった. また, 死亡者の総数は198人で, その内15歳未満の小児が38人を占めていた. 新型インフルエンザの臨床像としては, これまでの季節性インフルエンザとは異なり, 肺炎や喘息などの呼吸器症状が多く, 重症化することが報告された2)3). |
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ISSN: | 0037-3826 |
DOI: | 10.11441/shinshumedj.59.229 |