高カロリー輸液におけるカテーテル敗血症の検討

最近年間のTPN施行症例252例に対しカテーテル敗血症の頻度, 特徴について検討した. カテーテル敗血症の頻度は252例中35例13.9%であり, 悪性疾患(15.8%)が良性疾患(7.1%)より頻度が高かったが留置期間では差がなかった. カテーテル抜去前の熱型は弛張熱が77.1%と大部分を占め, 稽留熱および間欠熱は各々11.4%であった. 白血球数は2600より23500まで, 平均9770/mm3であり, 8000/mm3の白血球増多は45.7%であった. カテーテル先端の細菌培養は22例に行われ, このうち59.1%に菌が検出され, Candidaが84.6%であった. カテーテル抜去...

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Published in医療 Vol. 47; no. 5; pp. 321 - 325
Main Authors 鹿野, 奉昭, 野田, 尚一, 松尾, 賢三, 雷, 哲明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1993
国立医療学会
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.47.321

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Summary:最近年間のTPN施行症例252例に対しカテーテル敗血症の頻度, 特徴について検討した. カテーテル敗血症の頻度は252例中35例13.9%であり, 悪性疾患(15.8%)が良性疾患(7.1%)より頻度が高かったが留置期間では差がなかった. カテーテル抜去前の熱型は弛張熱が77.1%と大部分を占め, 稽留熱および間欠熱は各々11.4%であった. 白血球数は2600より23500まで, 平均9770/mm3であり, 8000/mm3の白血球増多は45.7%であった. カテーテル先端の細菌培養は22例に行われ, このうち59.1%に菌が検出され, Candidaが84.6%であった. カテーテル抜去後74.3%の症例は3日以内, 全例16日以内に完全な解熱がみられた. TPN施行中原因不明の発熱, 特に弛張熱がみられたら白血球数や細菌培養の結果にこだわらず, カテーテル敗血症と考え躊躇することなくカテーテルを抜去すべきである.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.47.321