肺癌死亡を減少させるにはどうしたらよいか

〔目的〕 以前から胸部X線や喀疾細胞診による肺癌検診が行われてきたが, それらによる肺癌死亡減少効果は少なく, 肺癌死亡率は増加し続けている。それを減少させるにはどうしたらよいかについて検診などの二次予防面と食生活などの一次予防面について検討した。 〔方法〕 1.平成10年度から12年度までの3年間の当センターのX線, 喀疾及びCT検診による肺癌発見状況を比較検討した。II.平成7年度から12年度までの6年間に当センターの肺癌検診で発見された79例の肺癌症例と対象群について生活習慣についてアンケート調査を行い, 両群問の違いについて有意差検定を行った。 〔結果〕 1.人間ドックヘリカルCTによ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 51; no. 5; pp. 751 - 759
Main Authors 加藤, 淳也, 大高, 雅彦, 宮崎, 弘二, 三澤, 綾子, 塚本, 達明, 小林, 一久, 花形, 悦秀, 依田, 芳起, 守屋, 律子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2003
日本農村医学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0468-2513
1349-7421
DOI10.2185/jjrm.51.751

Cover

Loading…
More Information
Summary:〔目的〕 以前から胸部X線や喀疾細胞診による肺癌検診が行われてきたが, それらによる肺癌死亡減少効果は少なく, 肺癌死亡率は増加し続けている。それを減少させるにはどうしたらよいかについて検診などの二次予防面と食生活などの一次予防面について検討した。 〔方法〕 1.平成10年度から12年度までの3年間の当センターのX線, 喀疾及びCT検診による肺癌発見状況を比較検討した。II.平成7年度から12年度までの6年間に当センターの肺癌検診で発見された79例の肺癌症例と対象群について生活習慣についてアンケート調査を行い, 両群問の違いについて有意差検定を行った。 〔結果〕 1.人間ドックヘリカルCTによる肺癌発見率は平成10, 11, 12年度がそれぞれ0.29%, 0.24%, 0.19%であった。人間ドック直接X線のそれは0.01%, 0.02%, 0.02%で喀疾検査のそれは3年間とも0%であった。CT発見癌は腺癌が多く (95.8%), 扁平上皮癌は少なかった。性・年齢別ではCTは50歳代女性, 60歳代男性の発見率が高かった。H.生活習慣についてのアンケート調査の結果は, 肺癌群は対象群に比べ, 有意に野菜摂取が少なかったが, 他の質問項目で有意差のあるものはなかった。 〔結論〕 ヘリカルCTによる肺癌発見率は従来法より格段に高く, しかも発見癌は早期のものが多く, 極めて有望な検査法と考えられる。アンケート調査の結果では, 野菜摂取に有意差が認められ, 野菜を多く食べることが肺癌予防につながることが示唆された。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.51.751