肝硬変患者におけるHeinz Bodyと赤血球内GSH濃度の検討
肝硬変患者に貧血が多くみられるが, 主たる要因である溶血性貧血の中に, ヘモグロビン分子が酸化的ストレスを受け, Heinz Bodyと呼ばれる変性体を形成し, これが赤血球膜と結合することによって赤血球の寿命を短縮させることが知られている. このHeinz Body形成数は肝硬変患者で高値を示すと報告されているように, 多くの疾患において, 活性酸素による攻撃が病態の形成に関与しているといわれている. 一方, 還元型グルタチオン(GSH)は生体内において活性酸素のscavengerとして働き, 同様に赤血球内ではHeinz Body形成を抑制しているものと考えられる. そこで我々は, 健常人...
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Published in | 医療 Vol. 48; no. 2; pp. 101 - 104 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 国立医療学会
1994
国立医療学会 |
Subjects | |
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Summary: | 肝硬変患者に貧血が多くみられるが, 主たる要因である溶血性貧血の中に, ヘモグロビン分子が酸化的ストレスを受け, Heinz Bodyと呼ばれる変性体を形成し, これが赤血球膜と結合することによって赤血球の寿命を短縮させることが知られている. このHeinz Body形成数は肝硬変患者で高値を示すと報告されているように, 多くの疾患において, 活性酸素による攻撃が病態の形成に関与しているといわれている. 一方, 還元型グルタチオン(GSH)は生体内において活性酸素のscavengerとして働き, 同様に赤血球内ではHeinz Body形成を抑制しているものと考えられる. そこで我々は, 健常人と肝硬変患者の赤血球内GSH濃度を比較検討し, その結果, 肝硬変患者は健常人より低値を示すことがわかった. |
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ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
DOI: | 10.11261/iryo1946.48.101 |