高カルシウム血症をきたす疾患における血清インターロイキン1およびTNF値

高カルシウム血症を呈する症例の血清interleukin 1-β(IL-1)およびtumor necrosis factor-α(TNF)値を測定した. 対象は1989年8月より9月までの2ヵ月間に中央検査室にて血清カルシウムを測定された2,420検体のうち, 血清カルシウムが10.5mg/dl以上を呈した17症例である. 最も多い高カルシウム症例は, 悪性腫瘍によるもので(7例), それ以外は原発性副甲状腺機能亢進症の3例を含む10例の良性疾患であった. 悪性腫瘍例の血清カルシウム値は, 11.7±1.0mg/dl(mean±SD), IL-10.18±0.10ng/ml(正常値0.10ng...

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Published in医療 Vol. 45; no. 3; pp. 244 - 247
Main Authors 松本, 裕三郎, 末永, 雅仁, 藤, 岡靖也, 島田, 達也, 小畑, 伸一郎, 紫藤, 忠博, 久木, 田英世, 東, 輝一朗, 木村, 圭志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1991
国立医療学会
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.45.244

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Summary:高カルシウム血症を呈する症例の血清interleukin 1-β(IL-1)およびtumor necrosis factor-α(TNF)値を測定した. 対象は1989年8月より9月までの2ヵ月間に中央検査室にて血清カルシウムを測定された2,420検体のうち, 血清カルシウムが10.5mg/dl以上を呈した17症例である. 最も多い高カルシウム症例は, 悪性腫瘍によるもので(7例), それ以外は原発性副甲状腺機能亢進症の3例を含む10例の良性疾患であった. 悪性腫瘍例の血清カルシウム値は, 11.7±1.0mg/dl(mean±SD), IL-10.18±0.10ng/ml(正常値0.10ng/ml以下), TNFは検出されなかった. 良性症例での血清カルシウム値は11.1±0.8mg/dl, IL-10.28±0.08ng/mlで, TNFは検出されなかった. また悪性腫瘍例とその他の例とで, IL-1値に有意差を認めなかった. 高カルシウム症例において, 軽度のIL-1値の上昇を認めたものIL-1値とカルシウム値との間には有意の相関を認めず, 両者の関係を明らかにすることはできなかった.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.45.244