多施設二重盲検法における歯周疾患に対する「XP-SN」の臨床評価

歯周疾患とは歯周組織に起ったさまざまな病変群の総称である. その発病の原因は全身的および局所的といった複雑なもので, そのうちでも歯垢歯石が起炎因子となっている場合が極めて多い. この疾患の治療には, まれに食餌療法, ホルモン療法およびビタミン療法などの全身療法を行なうこともあるが, スケーリングなどによる起炎因子の除去および消炎剤などの患部への投与といった局所療法が主として行なわれている. 歯周疾患の大部分をしめる起炎因子による発症のメカニズムは, 歯頸部に沈着した歯石の機械的刺激, ことに歯垢中に生息する多種微生物の代謝産物などで歯肉の内部に炎症が起り, この炎症性変化にともない上皮細胞...

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Published in日本歯周病学会会誌 Vol. 19; no. 4; pp. 413 - 430
Main Authors 名倉, 真弓, 金子, 勝彦, 堀, 俊雄, 浦口, 良治, 小田原, 国俊, 中山, 茂, 早瀬, 一夫, 高野, 和明, 山田, 義雄, 池田, 克巳, 片山, 一郎, 山下, 忍, 田村, 豊幸, 木村, 吉太郎, 渡邊, 和仁, 引間, 徹, 横田, 誠, 楠, 正夫, 佐藤, 春海, 藤巻, 伊佐夫, 木下, 四郎, 河西, 一秀, 岩淵, 澄夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯周病学会 1977
日本歯周病学会
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ISSN0385-0110
1880-408X
DOI10.2329/perio.19.413

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Summary:歯周疾患とは歯周組織に起ったさまざまな病変群の総称である. その発病の原因は全身的および局所的といった複雑なもので, そのうちでも歯垢歯石が起炎因子となっている場合が極めて多い. この疾患の治療には, まれに食餌療法, ホルモン療法およびビタミン療法などの全身療法を行なうこともあるが, スケーリングなどによる起炎因子の除去および消炎剤などの患部への投与といった局所療法が主として行なわれている. 歯周疾患の大部分をしめる起炎因子による発症のメカニズムは, 歯頸部に沈着した歯石の機械的刺激, ことに歯垢中に生息する多種微生物の代謝産物などで歯肉の内部に炎症が起り, この炎症性変化にともない上皮細胞相互間の結合が破壊され, 歯周ポケットが形成し, このポケット内に起炎因子が蓄積して, 遂次症状が悪化する. このような経過をたどるので歯周疾患は進行性の慢性疾患といえる. したがって, 歯周疾患の治療には, スケーリングを必須とする各種の局所療法および正しいブラッシングによって起炎因子を除去することが必要である. しかしこの際さらに消炎剤または殺菌剤の局所投与を併用すれば治療効果は一段と高められるといわれている1~9).
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.19.413