限局性皮膚結節性アミロイドーシスを合併した原発性シェーグレン症候群の2例

アミロイドL蛋白が限局性に沈着した皮膚結節性アミロイドーシス(LCNA)を合併した原発性シェーグレン症候群の女性2例を報告する. 症例1: 70歳,女性.関節痛,発熱,耳下腺腫脹のため当科受診.原発性シェーグレン症候群と診断した. 3年後右大腿に褐色小結節,両下腿に黄褐色小結節が出現.左下腿の皮膚生検にて真皮全層に抗L鎖(λ)抗体陽性アミロイドの沈着とその周囲にリンパ球と形質細胞の浸潤を認めた.症例2:51歳,女性.腰部皮疹の生検にて真皮にアミロイド沈着が認められ当科紹介.口腔および眼乾燥感あり,原発性シェーグレン症候群と診断した. 2例とも小唾液腺生検でリンパ球と形質細胞の浸潤著明であったが...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床免疫学会会誌 Vol. 25; no. 2; pp. 205 - 211
Main Authors 池澤, 善郎, 辻, 隆, 三角, 緑, 青木, 昭子, 上田, 敦久, 萩原, 恵里, 稲山, 嘉明, 石ヶ坪, 良明, 佐々木, 哲雄, 井上, 優子, 大野, 滋, 出口, 治子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 2002
Online AccessGet full text
ISSN0911-4300
1349-7413
DOI10.2177/jsci.25.205

Cover

More Information
Summary:アミロイドL蛋白が限局性に沈着した皮膚結節性アミロイドーシス(LCNA)を合併した原発性シェーグレン症候群の女性2例を報告する. 症例1: 70歳,女性.関節痛,発熱,耳下腺腫脹のため当科受診.原発性シェーグレン症候群と診断した. 3年後右大腿に褐色小結節,両下腿に黄褐色小結節が出現.左下腿の皮膚生検にて真皮全層に抗L鎖(λ)抗体陽性アミロイドの沈着とその周囲にリンパ球と形質細胞の浸潤を認めた.症例2:51歳,女性.腰部皮疹の生検にて真皮にアミロイド沈着が認められ当科紹介.口腔および眼乾燥感あり,原発性シェーグレン症候群と診断した. 2例とも小唾液腺生検でリンパ球と形質細胞の浸潤著明であったが,アミロイドの沈着は認めなかった.また血清M蛋白陰性,尿中B-J蛋白陰性.全身性アミロイドーシスは否定的でLCNAと診断した. 原発性シェーグレン症候群ではB細胞系のリンパ増殖性疾患を合併することが多いが,アミロイドーシスでもアミロイド沈着周囲に形質細胞の増殖が見られることがあり,シェーグレン症候群とLCNAの関連を示唆する症例と考え報告した.
ISSN:0911-4300
1349-7413
DOI:10.2177/jsci.25.205