腸閉塞で発症したNSAIDs潰瘍の1例
患者は38歳女性.主訴は腹痛,嘔吐.既往歴は20歳時に虫垂切除術,帝王切開術を2回受けている.36歳時から関節リウマチを発症しloxoprofenを2年間内服していた.腸閉塞の診断で当院入院となった.小腸造影で完全に閉塞しており腹腔鏡下手術を行った.手術所見は癒着はなく回盲部に一致して単発の輪状狭窄を認め回盲部切除を行った.切除標本では回盲弁上に輪状潰瘍と高度の瘢痕狭窄を認め,口側に浅い地図状の潰瘍が存在していた.病理組織検査では,NSAIDs潰瘍を示唆する所見を認めた.経過良好で退院し,その後再発の徴候はない.自験例のような高度の瘢痕狭窄を来すNSAIDs潰瘍はまれと考えられた....
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Published in | 日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 64; no. 4; pp. 230 - 234 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本大腸肛門病学会
2011
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0047-1801 1882-9619 |
DOI | 10.3862/jcoloproctology.64.230 |
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Summary: | 患者は38歳女性.主訴は腹痛,嘔吐.既往歴は20歳時に虫垂切除術,帝王切開術を2回受けている.36歳時から関節リウマチを発症しloxoprofenを2年間内服していた.腸閉塞の診断で当院入院となった.小腸造影で完全に閉塞しており腹腔鏡下手術を行った.手術所見は癒着はなく回盲部に一致して単発の輪状狭窄を認め回盲部切除を行った.切除標本では回盲弁上に輪状潰瘍と高度の瘢痕狭窄を認め,口側に浅い地図状の潰瘍が存在していた.病理組織検査では,NSAIDs潰瘍を示唆する所見を認めた.経過良好で退院し,その後再発の徴候はない.自験例のような高度の瘢痕狭窄を来すNSAIDs潰瘍はまれと考えられた. |
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ISSN: | 0047-1801 1882-9619 |
DOI: | 10.3862/jcoloproctology.64.230 |