14歳で発症した真性多血症の1例

小児期に発症する真性多血症はまれであるが, 14歳の女児に発症した真性多血症の1例を報告する.初診時に巨大な脾腫を認め, 血液所見はヘモグロビン値16.6g/dl, 赤血球数815×104/μl, 白血球数15,700/μl, 血小板数13.7×104/μlであった.血清エリスロポイエチンは低値で, 赤芽球コロニーの自立性増殖とエリスロポイエチンに対する過剰反応を認めた.JAK2V617F遺伝子変異は認めなかった.診断確定後, まず瀉血療法を開始した.その後, インターフェロンα2b300万単位の筋肉内注射を週3回で開始したところ瀉血療法は不要になり, 週6回に増量後脾腫も縮小した.現在インタ...

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Published in日本小児血液学会雑誌 Vol. 21; no. 4; pp. 190 - 194
Main Authors 小島, 勢二, 吉田, 奈央, 宮島, 雄二, 多賀谷, 亜実
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会 31.08.2007
日本小児血液学会
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ISSN0913-8706
1884-4723
DOI10.11412/jjph1987.21.190

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Summary:小児期に発症する真性多血症はまれであるが, 14歳の女児に発症した真性多血症の1例を報告する.初診時に巨大な脾腫を認め, 血液所見はヘモグロビン値16.6g/dl, 赤血球数815×104/μl, 白血球数15,700/μl, 血小板数13.7×104/μlであった.血清エリスロポイエチンは低値で, 赤芽球コロニーの自立性増殖とエリスロポイエチンに対する過剰反応を認めた.JAK2V617F遺伝子変異は認めなかった.診断確定後, まず瀉血療法を開始した.その後, インターフェロンα2b300万単位の筋肉内注射を週3回で開始したところ瀉血療法は不要になり, 週6回に増量後脾腫も縮小した.現在インターフェロン療法開始後13カ月経過しているが, 臨床経過は良好である.今後も合併症や白血病への進展など, 注意深い観察が長期にわたり必要である.
ISSN:0913-8706
1884-4723
DOI:10.11412/jjph1987.21.190