横行結腸憩室穿孔の術後経過中に盲腸憩室出血,上行結腸憩室穿孔を発症した1例

症例は72歳の男性で,2007年3月左側腹部痛で当科を受診した.横行結腸憩室穿孔の診断で緊急手術を行った.術後経過中に2度の盲腸憩室出血をおこし内視鏡的止血を要した.その後さらに,上行結腸憩室穿孔を併発し再度緊急手術を行った.大腸憩室症は多くは無症状であるが,一部に憩室炎や憩室出血,憩室穿孔など,合併症が発生する.横行結腸憩室の頻度は低く,比較的まれな疾患である.本症例は横行結腸憩室穿孔に加え,盲腸憩室出血,上行結腸憩室穿孔と多彩な合併症を発症し,治療に難渋した.全結腸に憩室が存在する症例では合併症を繰り返すことがあり,その術式については今後の検討を要すると考えられた....

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Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 62; no. 2; pp. 111 - 115
Main Authors 松山, 貴俊, 青柳, 治彦, 榎本, 雅之, 樋口, 哲郎, 小林, 宏寿, 石川, 敏昭, 杉原, 健一, 飯田, 聡, 安野, 正道
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大腸肛門病学会 2009
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ISSN0047-1801
1882-9619
DOI10.3862/jcoloproctology.62.111

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Summary:症例は72歳の男性で,2007年3月左側腹部痛で当科を受診した.横行結腸憩室穿孔の診断で緊急手術を行った.術後経過中に2度の盲腸憩室出血をおこし内視鏡的止血を要した.その後さらに,上行結腸憩室穿孔を併発し再度緊急手術を行った.大腸憩室症は多くは無症状であるが,一部に憩室炎や憩室出血,憩室穿孔など,合併症が発生する.横行結腸憩室の頻度は低く,比較的まれな疾患である.本症例は横行結腸憩室穿孔に加え,盲腸憩室出血,上行結腸憩室穿孔と多彩な合併症を発症し,治療に難渋した.全結腸に憩室が存在する症例では合併症を繰り返すことがあり,その術式については今後の検討を要すると考えられた.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.62.111