スケーリングとブラッシングによる歯周ポケット浸出液中の Bradykininase の消長

• Published in: 日本歯周病学会会誌 Vol. 21; no. 2; pp. 173 - 182
• Main Authors: 水野, 克己, 伊藤, 一, 山田, 弘文, 大森, 恒, 水野, 由紀夫, 中静, 正
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 特定非営利活動法人 日本歯周病学会 1979; 日本歯周病学会
• ISSN: 0385-0110; 1880-408X
• DOI: 10.2329/perio.21.173

歯肉炎や歯周炎と炎症の化学的因子であるkininやその分解酵素であるkininaseとの関係についての報告は少なく, とくに歯周ポケット浸出液中のkininsまたはkininaseとの関係についてはKroegerら1), Rodinら2）, 大森3)および水野4)の報告があるに過ぎない. 彼らはいずれも深い関係があると報告している. しかし, 歯肉炎や歯周炎の予防や治療の基本的処置であるスケーリングやブラッシングの口腔清掃による歯周ポケット浸出液中のkininまたはkininase活性についての報告は見当らない. そこで著者らは, スケーリングやブラッシングの口腔清掃による歯肉炎症指数, 歯垢指数, 歯石指数, 歯周ポケットの深さおよび浸出液量の消長と歯周ポケット浸出液中のbradykininase活性値の消長との関係について, 3週間にわたって各週ごとに検べたので報告する. II 実験の試料と方法 1. 被検者について 本学付属病院歯周科を訪れた歯肉炎や歯周炎の他, 炎症性疾患や特定の内科的疾患のない患者のうち, 4～/～4にウ蝕や修復物のないものを選んだ.