I型大腸癌様の形態を呈した卵巣癌の上行結腸転移の1例
症例は80歳女性.3年前に卵巣癌(stage IIIc,腹膜播種あり)に対して拡大子宮全摘+両側付属器切除+体網切除術を施行され,術後に抗癌剤を投与されていた.明らかな再発や転移もなく,婦人科外来にて経過観察中にCA125高値を示したためPET検査を施行した.上行結腸に集積を認め,大腸内視鏡検査を施行すると上行結腸に1型腫瘍を認め,生検ではSuggestive of malignancyの診断であった.大腸癌の疑いで右半結腸切除術を施行した.病理結果は低分化型腺癌で深達度はssであり,リンパ節にも転移を認めた.病理で免疫染色を施行すると,Cytokeratin 7陽性,Cytokeratin...
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Published in | 日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 65; no. 3; pp. 136 - 139 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本大腸肛門病学会
2012
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Subjects | |
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ISSN | 0047-1801 1882-9619 |
DOI | 10.3862/jcoloproctology.65.136 |
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Summary: | 症例は80歳女性.3年前に卵巣癌(stage IIIc,腹膜播種あり)に対して拡大子宮全摘+両側付属器切除+体網切除術を施行され,術後に抗癌剤を投与されていた.明らかな再発や転移もなく,婦人科外来にて経過観察中にCA125高値を示したためPET検査を施行した.上行結腸に集積を認め,大腸内視鏡検査を施行すると上行結腸に1型腫瘍を認め,生検ではSuggestive of malignancyの診断であった.大腸癌の疑いで右半結腸切除術を施行した.病理結果は低分化型腺癌で深達度はssであり,リンパ節にも転移を認めた.病理で免疫染色を施行すると,Cytokeratin 7陽性,Cytokeratin 20陰性であり3年前の卵巣癌の転移であった.術後経過は良好で現在は婦人科にて化学療法中である.若干の文献的考察を加えて報告する. |
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ISSN: | 0047-1801 1882-9619 |
DOI: | 10.3862/jcoloproctology.65.136 |