裸出骨床への遊離歯肉自家移植後の骨膜血管網の変化について

本研究の目的は, 歯周領域における骨膜血管網の役割を再認識し, 裸出骨床への遊離歯肉自家移植後の骨膜血管網の修復過程における血管動態を詳細に観察することにある。本研究においては, 健康な歯周組織を有する雑種成犬45頭を用い, 柳原の方法に従って裸出骨床へ遊離歯肉自家移植を行った。すなわち, 上顎右側犬歯付着歯肉の一定の位置に裸出骨床を作製し, 左側付着歯肉部より移植片を採取し, 裸出骨床へ移植を行った。術後3, 5, 7, 14, 21, 28, 42, 56, 84日の各期間に骨膜血管網の変化を, 血管鋳型標本を用いて詳細に観察した。その結果, 裸出骨床への遊離歯肉自家移植後の骨膜血管網の治...

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Published in日本歯周病学会会誌 Vol. 36; no. 3; pp. 599 - 611
Main Authors 今井, 久夫, 山岡, 昭, 丹田, 博巳, 柳原, 一晃, 信藤, 孝博, 李, 繁良
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯周病学会 1994
日本歯周病学会
Subjects
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ISSN0385-0110
1880-408X
DOI10.2329/perio.36.599

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Summary:本研究の目的は, 歯周領域における骨膜血管網の役割を再認識し, 裸出骨床への遊離歯肉自家移植後の骨膜血管網の修復過程における血管動態を詳細に観察することにある。本研究においては, 健康な歯周組織を有する雑種成犬45頭を用い, 柳原の方法に従って裸出骨床へ遊離歯肉自家移植を行った。すなわち, 上顎右側犬歯付着歯肉の一定の位置に裸出骨床を作製し, 左側付着歯肉部より移植片を採取し, 裸出骨床へ移植を行った。術後3, 5, 7, 14, 21, 28, 42, 56, 84日の各期間に骨膜血管網の変化を, 血管鋳型標本を用いて詳細に観察した。その結果, 裸出骨床への遊離歯肉自家移植後の骨膜血管網の治癒過程において, 移植片辺縁部では受容床創縁から骨膜血管が進展し, 辺縁部から中央部にかけては骨中からの血管や辺縁部からの新生血管により成立する治癒様式を示した。
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.36.599