高度な歯周病患者の一症例

1983年4月全顎にわたる歯肉の疼痛を主訴として愛知学院大学歯学部歯周科に来院した高度な歯周病患者の治療機会を得た。 患者は40歳男性で, 特記すべき全身既往歴はないが, 20代後半より歯肉出血を自覚し, 30代になり歯肉の腫脹や歯の動揺, 移動等を伴うようになっていた。 高度な成人型歯周炎の診断のもとに, 歯周初期治療を開始した。その後, 歯周外科処置をおこない, 歯周組織の改善に伴い矯正処置をはじめた。矯正処置後, 保定・固定をおこなった。歯周組織, 下顎位の再評価後, 患者は現在メインテナンスのため1ヵ月に1度の割合でリコールされている。レントゲン上, 歯槽骨の著しい改善像が認められ,...

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Published in日本歯周病学会会誌 Vol. 30; no. 3; pp. 955 - 966
Main Authors 稲垣, 幸司, 大野, 友三, 天埜, 克彦, 浅井, 司, 野口, 俊英, 吉成, 伸夫, 伊藤, 振本, 牧, 英次郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯周病学会 1988
日本歯周病学会
Subjects
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ISSN0385-0110
1880-408X
DOI10.2329/perio.30.955

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Summary:1983年4月全顎にわたる歯肉の疼痛を主訴として愛知学院大学歯学部歯周科に来院した高度な歯周病患者の治療機会を得た。 患者は40歳男性で, 特記すべき全身既往歴はないが, 20代後半より歯肉出血を自覚し, 30代になり歯肉の腫脹や歯の動揺, 移動等を伴うようになっていた。 高度な成人型歯周炎の診断のもとに, 歯周初期治療を開始した。その後, 歯周外科処置をおこない, 歯周組織の改善に伴い矯正処置をはじめた。矯正処置後, 保定・固定をおこなった。歯周組織, 下顎位の再評価後, 患者は現在メインテナンスのため1ヵ月に1度の割合でリコールされている。レントゲン上, 歯槽骨の著しい改善像が認められ, 臨床的アタッチメントレベルは平均5.92mmから平均4.96mmに改善を示した。
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.30.955