髄膜刺激症状を伴う第二期梅毒に急性肝障害を呈した1例
症例は, 26才, 女性. 頭痛及び皮膚の紅斑を主訴として入院. 体幹, 両手掌, 足底を含む四肢に紅斑が多発. 両頸部にリンパ節を触知, 軽度の肝腫大を認めた. 典型的皮疹及び血清梅毒反応強陽性よりバラ疹と診断した. 赤沈は1時間値50mm, CRPは4+. GOT 74, GPT64, LDH 297, ALP 943, LAP 166, γ-GTP 364, ZTT 12.6, TTT13.7と胆汁うつ滞型の肝障害を示した. 駆梅療法により症状, 急性肝障害ともに完全寛解した. 第二期梅毒性肝障害は, 文献上1.7~50%と思われるが, わが国では, 肝障害に関するまとまつた報告が少なく...
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Published in | 医療 Vol. 42; no. 6; pp. 553 - 557 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 国立医療学会
1988
国立医療学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0021-1699 1884-8729 |
DOI | 10.11261/iryo1946.42.553 |
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Summary: | 症例は, 26才, 女性. 頭痛及び皮膚の紅斑を主訴として入院. 体幹, 両手掌, 足底を含む四肢に紅斑が多発. 両頸部にリンパ節を触知, 軽度の肝腫大を認めた. 典型的皮疹及び血清梅毒反応強陽性よりバラ疹と診断した. 赤沈は1時間値50mm, CRPは4+. GOT 74, GPT64, LDH 297, ALP 943, LAP 166, γ-GTP 364, ZTT 12.6, TTT13.7と胆汁うつ滞型の肝障害を示した. 駆梅療法により症状, 急性肝障害ともに完全寛解した. 第二期梅毒性肝障害は, 文献上1.7~50%と思われるが, わが国では, 肝障害に関するまとまつた報告が少なく, 比較的まれな症例と考えられた. なお, 髄液梅毒反応は陽性で脳血管型神経梅毒の罹思も疑われた. |
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ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
DOI: | 10.11261/iryo1946.42.553 |