C型慢性肝炎に対するインターフェロン治療

C型慢性肝炎に対するインターフェロン(IFN)治療は, B型に対するより10年遅れて1986年非A非B型慢性肝炎に対する治療成績としてHoofnagleによってはじめて報告された1). わが国でも1987年より非A非B型慢性肝炎に対する各種IFNの治験が始まり, 多くの施設よりその治療効果の報告がなされている. 著効を示す例も多数認められるが, 効果が持続しない例やほとんど反応が認められない例も多く, 治療効果に影響を及ぼす諸因子についての検討がなされつつあるが, いまだ一定の見解が得られていない. そこで今回著者らはC型慢性肝炎に対するIFN投与効果と対象諸因子との関係について多変量解析を用...

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Published in医療 Vol. 46; no. 8; pp. 620 - 623
Main Authors 加藤, 道夫, 大川, 和良, 益沢, 学
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1992
国立医療学会
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Summary:C型慢性肝炎に対するインターフェロン(IFN)治療は, B型に対するより10年遅れて1986年非A非B型慢性肝炎に対する治療成績としてHoofnagleによってはじめて報告された1). わが国でも1987年より非A非B型慢性肝炎に対する各種IFNの治験が始まり, 多くの施設よりその治療効果の報告がなされている. 著効を示す例も多数認められるが, 効果が持続しない例やほとんど反応が認められない例も多く, 治療効果に影響を及ぼす諸因子についての検討がなされつつあるが, いまだ一定の見解が得られていない. そこで今回著者らはC型慢性肝炎に対するIFN投与効果と対象諸因子との関係について多変量解析を用いて検討したので報告する. 対象と方法 対象はHCV抗体あるいはHCV-RNA陽性のC型慢性肝炎86例(男性57例, 女性29例), 年齢は14歳~67歳(平均46.8歳±13.5歳)である. HCV抗体はオーソC100-3(EIA)を用い, HCV-RNAは5'-noncording regionをprimerとしたRT-PCR法にて測定した(大阪大学第一内科).
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.46.620