多発性脳梗塞で発症した angiotropic B cell lymphomaの1剖検例
症例は48歳, 女性. 平成5年11月発熱, 右下肢脱力にて入院となった. 意識障害, 左不全麻痺も出現し頭部CT, MRIにて多発性脳梗塞と診断した. また血小板減少, 貧血, LDH上昇, 破砕赤血球を認めることより血栓性血小板減少性紫斑病を疑いステロイド投与, 血漿交換, グリセオール投与を行ったが症状の改善はみられなかった. 平成5年12月6日(第21病日)末梢血中に異型細胞が少数出現し, 骨髄にも同様の異型細胞を4.4%認めた. 異型細胞はペルオキシダーゼ, 非特異的エステラーゼ陰性であることよりリンパ系腫瘍を強く疑い, 化学療法に踏み切った. CHOP-E療法2コースで寛解したが,...
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Published in | 医療 Vol. 50; no. 7; pp. 504 - 509 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 国立医療学会
1996
国立医療学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0021-1699 1884-8729 |
DOI | 10.11261/iryo1946.50.504 |
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Summary: | 症例は48歳, 女性. 平成5年11月発熱, 右下肢脱力にて入院となった. 意識障害, 左不全麻痺も出現し頭部CT, MRIにて多発性脳梗塞と診断した. また血小板減少, 貧血, LDH上昇, 破砕赤血球を認めることより血栓性血小板減少性紫斑病を疑いステロイド投与, 血漿交換, グリセオール投与を行ったが症状の改善はみられなかった. 平成5年12月6日(第21病日)末梢血中に異型細胞が少数出現し, 骨髄にも同様の異型細胞を4.4%認めた. 異型細胞はペルオキシダーゼ, 非特異的エステラーゼ陰性であることよりリンパ系腫瘍を強く疑い, 化学療法に踏み切った. CHOP-E療法2コースで寛解したが, その後再発し種々の化学療法を施行するも効果は一過性で平成6年10月21日(第340病日), 呼吸不全のため死亡した. 剖検にてangiotropic B cell lymphomaと確定診断した. |
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ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
DOI: | 10.11261/iryo1946.50.504 |