大腸内視鏡直腸内反転による健常人の直腸肛門病変の検討

目的:大腸内視鏡の直腸内反転により観察される健常人の直腸肛門病変の頻度およびその臨床的特徴を明らかにすること.対象:人間ドックで大腸内視鏡検査を行った925例中,反転観察した885例を対象とした.結果:14例(1.6%)に直腸ポリープを認めた.6mm以下で,約半数が非腫瘍性ポリープと判断された.肛門管上部が観察された757例中,内痔核を48例(6.3%),肥大肛門乳頭を153例(20.2%)に認めた.内痔核症例は有意に高齢で,男性に多かった.肥大肛門乳頭は多発例が多く,9mm以下であった.内痔核の合併が有意に少なく,疼痛と出血が有意に多く認められた.しかし肥大肛門乳頭の性状と症状との間には関連...

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Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 64; no. 7; pp. 455 - 461
Main Authors 安達, 亙, 岸本, 恭, 太田, 裕志, 小松, 修
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大腸肛門病学会 2011
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Summary:目的:大腸内視鏡の直腸内反転により観察される健常人の直腸肛門病変の頻度およびその臨床的特徴を明らかにすること.対象:人間ドックで大腸内視鏡検査を行った925例中,反転観察した885例を対象とした.結果:14例(1.6%)に直腸ポリープを認めた.6mm以下で,約半数が非腫瘍性ポリープと判断された.肛門管上部が観察された757例中,内痔核を48例(6.3%),肥大肛門乳頭を153例(20.2%)に認めた.内痔核症例は有意に高齢で,男性に多かった.肥大肛門乳頭は多発例が多く,9mm以下であった.内痔核の合併が有意に少なく,疼痛と出血が有意に多く認められた.しかし肥大肛門乳頭の性状と症状との間には関連はなかった.また,内痔核あるいは肥大肛門乳頭と排便習慣との関連は認められなかった.結論:ドック受診者における直腸ポリープ,内痔核,肥大肛門乳頭の頻度はそれぞれ1.6%,6.3%,20.2%であった.また,それぞれの病変の特徴について記載した.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.64.455