偽関節治療について

過去7年間に, 国立三朝温泉病院にて経験した偽関節41名43症例を調査し, 偽関節の原因として, 骨折の初期治療における治療法の適応の誤り, 骨折部展開・整復の症例においては整復の不完全・固定力の不十分さ, 感染などを上げることができた. 治療として, 大腿骨頸部偽関節の2症例に人工骨頭置換術を施行した. 他の大多数の症例にては, 偽関節断端の新鮮化, 骨移植術を行つた上, 主にdual Plating, 髄内釘法などによる強固な内固定を試みた. 閉鎖法による髄内釘法施行例ではネジ横固定を併せ行つた. また, 症例によつてはZuggurtung法を応用した. 人工骨頭置換術2症例の成績は良好で...

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Published in医療 Vol. 38; no. 9; pp. 895 - 900
Main Authors 上平, 用, 大月, 健二, 林, 正郎, 阿藤, 孝二郎, 大森, 敏雄, 浪花, 紳悟, 奥野, 誠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1984
医療同好会
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Summary:過去7年間に, 国立三朝温泉病院にて経験した偽関節41名43症例を調査し, 偽関節の原因として, 骨折の初期治療における治療法の適応の誤り, 骨折部展開・整復の症例においては整復の不完全・固定力の不十分さ, 感染などを上げることができた. 治療として, 大腿骨頸部偽関節の2症例に人工骨頭置換術を施行した. 他の大多数の症例にては, 偽関節断端の新鮮化, 骨移植術を行つた上, 主にdual Plating, 髄内釘法などによる強固な内固定を試みた. 閉鎖法による髄内釘法施行例ではネジ横固定を併せ行つた. また, 症例によつてはZuggurtung法を応用した. 人工骨頭置換術2症例の成績は良好であつた. 残り41症例中, 骨粗鬆と股関節病変を伴つたRA患者の大腿骨転子部骨折の1症例を除き, すべてに十分な骨癒合を認めた.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.38.895