HCV陽性のシェーグレン症候群に合併したMarginal zoneリンパ腫の一剖検例
症例は64歳,女性. 1997年5月,両側耳下腺,顎下腺腫脹を認め,生検にて悪性リンパ腫,びまん性中細胞型, B細胞型と診断され,放射線療法,化学療法を施行された. 98年4月,胃, S状結腸に再発し入院となった.脾臓を1横指触知し,両側頚部に1.5cm各1個,両側鼠径部に1.5cm各2個のリンパ節を触知した. RF, RAHAが高値であったが,その他の各種自己抗体は陰性であった.またHCV-RNAが陽性であった.唾液,涙液の分泌低下,口唇小唾液腺生検で導管周囲のリンパ球浸潤を認め,シェーグレン症候群と診断した.リンパ腫組織は形態的にcentrocyte-like cellが主体で,リンパ上皮...
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Published in | 日本臨床免疫学会会誌 Vol. 24; no. 4; pp. 160 - 167 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床免疫学会
2001
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0911-4300 1349-7413 |
DOI | 10.2177/jsci.24.160 |
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Summary: | 症例は64歳,女性. 1997年5月,両側耳下腺,顎下腺腫脹を認め,生検にて悪性リンパ腫,びまん性中細胞型, B細胞型と診断され,放射線療法,化学療法を施行された. 98年4月,胃, S状結腸に再発し入院となった.脾臓を1横指触知し,両側頚部に1.5cm各1個,両側鼠径部に1.5cm各2個のリンパ節を触知した. RF, RAHAが高値であったが,その他の各種自己抗体は陰性であった.またHCV-RNAが陽性であった.唾液,涙液の分泌低下,口唇小唾液腺生検で導管周囲のリンパ球浸潤を認め,シェーグレン症候群と診断した.リンパ腫組織は形態的にcentrocyte-like cellが主体で,リンパ上皮性病変を認め, CD20, IgM-κ陽性で,腸管と脾臓を中心に浸潤しているmarginal zoneリンパ腫と診断した.シェーグレン症候群と悪性リンパ腫,さらにHCVとの関係で興味深い症例であると考えられたので報告する. |
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ISSN: | 0911-4300 1349-7413 |
DOI: | 10.2177/jsci.24.160 |