全経過約12年にわたる再発を繰り返したフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病
長期経過をたどった6歳発症のPh1陽性急性リンパ性白血病 (ALL) の1例を報告する.通常の化学療法後早期再発, 治療抵抗性となったため, 非寛解で2座不一致の父より骨髄移植を行った.しかし4年半後に睾丸に再発をきたしたため, BFMの再発プロトコールにて再寛解療法を行い, 寛解に達した.その後維持療法中10カ月で大腿骨, 脛骨に再発をきたした.Imatinib, 局所放射線療法, ドナー活性化CD4リンパ球輸注を施行し, minor BCR - ABLは消失した.しかし, その後もさまざまな骨病変を繰り返し, imatinibも骨髄抑制のため使用不可能になり, 以降の治療は局所放射線療法の...
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Published in | 日本小児血液学会雑誌 Vol. 22; no. 4; pp. 243 - 246 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会
31.08.2008
日本小児血液学会 |
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ISSN | 0913-8706 1884-4723 |
DOI | 10.11412/jjph1987.22.243 |
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Summary: | 長期経過をたどった6歳発症のPh1陽性急性リンパ性白血病 (ALL) の1例を報告する.通常の化学療法後早期再発, 治療抵抗性となったため, 非寛解で2座不一致の父より骨髄移植を行った.しかし4年半後に睾丸に再発をきたしたため, BFMの再発プロトコールにて再寛解療法を行い, 寛解に達した.その後維持療法中10カ月で大腿骨, 脛骨に再発をきたした.Imatinib, 局所放射線療法, ドナー活性化CD4リンパ球輸注を施行し, minor BCR - ABLは消失した.しかし, その後もさまざまな骨病変を繰り返し, imatinibも骨髄抑制のため使用不可能になり, 以降の治療は局所放射線療法のみを行った.全経過は約12年であった.本症例では, GVL効果+imatinibの治療は, 髄外再発に対しては効果が期待できないと考えられた. |
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ISSN: | 0913-8706 1884-4723 |
DOI: | 10.11412/jjph1987.22.243 |