結腸憩室炎に対する内視鏡的ドレナージが奏効した2例
結腸憩室炎に対する治療法は軽∼中等症の場合では絶食·抗生物質投与による治療が行われるが,穿孔ないし穿破をともなう場合,外科的治療が選択されることが多い.今回我々は穿破による膿瘍形成した憩室炎に対し,大腸内視鏡を用いて排膿術を施行,保存的治療にて軽快した2例を経験した.2症例は右側腹部痛,発熱を主訴に当院受診.CTにて上行結腸に広範な壁肥厚像,膿瘍形成を認め,穿破による憩室炎の診断となった.大腸内視鏡施行し上行結腸の広範な炎症を認め,表面に白苔をともなう排膿している憩室に対し,生理食塩水にて洗浄し,膿瘍ドレナージを施行した.術直後に腹痛,発熱が軽減し,保存的治療のみで退院した.結腸憩室炎に対する...
Saved in:
Published in | 日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 61; no. 5; pp. 254 - 259 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本大腸肛門病学会
2008
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0047-1801 1882-9619 |
DOI | 10.3862/jcoloproctology.61.254 |
Cover
Summary: | 結腸憩室炎に対する治療法は軽∼中等症の場合では絶食·抗生物質投与による治療が行われるが,穿孔ないし穿破をともなう場合,外科的治療が選択されることが多い.今回我々は穿破による膿瘍形成した憩室炎に対し,大腸内視鏡を用いて排膿術を施行,保存的治療にて軽快した2例を経験した.2症例は右側腹部痛,発熱を主訴に当院受診.CTにて上行結腸に広範な壁肥厚像,膿瘍形成を認め,穿破による憩室炎の診断となった.大腸内視鏡施行し上行結腸の広範な炎症を認め,表面に白苔をともなう排膿している憩室に対し,生理食塩水にて洗浄し,膿瘍ドレナージを施行した.術直後に腹痛,発熱が軽減し,保存的治療のみで退院した.結腸憩室炎に対する大腸内視鏡による膿瘍ドレナージは,外科的なサポート下において1つの治療オプションとして考慮できる手技と考えられた. |
---|---|
ISSN: | 0047-1801 1882-9619 |
DOI: | 10.3862/jcoloproctology.61.254 |