選択的乳管腺葉切除術における円筒メスの試用経験

乳頭異常分泌が認められる疾患のうち, 多発性の乳頭腫症は癌化の可能性もあり重視されるべきものである. 単発及び多発の乳頭腫(症)に対して1964年Atkins & Wolffは, 分泌乳管とその区域腺葉のみを切除する方法(microdochectomy)を発表した. この術式に際して我我は乳頭を良い型で残すために, 乳輪外縁弧状切開を加え, 円筒メスにより乳頭中の分泌主乳管のくり抜きを行い, さらに主乳管より末梢の腺葉を充分に切除するためにほとんど全例に放射状切開を加えている. この分泌主乳管の乳頭よりのくり抜き操作に対して我々は円筒メスを考案し, これを試用してみた結果, 短時間でか...

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Published in医療 Vol. 42; no. 5; pp. 427 - 431
Main Authors 喜多島, 豊三, 黒田, 亮平, 奥村, 光治郎, 植田, 利貞, 中嶋, 雅彦, 小泉, 強, 難波, 亨, 葉山, 典泰
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1988
国立医療学会
Subjects
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.42.427

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Summary:乳頭異常分泌が認められる疾患のうち, 多発性の乳頭腫症は癌化の可能性もあり重視されるべきものである. 単発及び多発の乳頭腫(症)に対して1964年Atkins & Wolffは, 分泌乳管とその区域腺葉のみを切除する方法(microdochectomy)を発表した. この術式に際して我我は乳頭を良い型で残すために, 乳輪外縁弧状切開を加え, 円筒メスにより乳頭中の分泌主乳管のくり抜きを行い, さらに主乳管より末梢の腺葉を充分に切除するためにほとんど全例に放射状切開を加えている. この分泌主乳管の乳頭よりのくり抜き操作に対して我々は円筒メスを考案し, これを試用してみた結果, 短時間でかつ分泌主乳管は損傷されることなくきれいに抜け, また術後も乳頭の変形を残さずにすむので, このメスの構造及び使用方法につき述べた.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.42.427