輸血の準備と副作用の早期発見に向けて

福井医科大学附属病院東5階病棟(第一内科)は血液疾患患者が多く(入院患者の約7割), このため血液製剤の使用頻度も多い. 血小板輸血を含めると一日平均40~50単位の輸血が行われており, 通常の看護業務の多忙さに更に拍車をかけている. 輸血の副作用の中には死に直結する重篤なものもあり, 過誤の防止, 副作用の予防・早期発見のためには, 輸血に関する正しい知識と技術の修得が不可欠である. 今回は, 輸血の際に看護婦が果たす役割として重要な, (1)輸血の準備, (2)輸血副作用の早期発見, の2つに焦点をあてて報告する. I. 輸血の準備(過誤防止) -過誤防止策を含めた輸血の準備について- 血...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 41; no. 3; pp. 288 - 289
Main Authors 屋敷, ひめお, 和野, 雅治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 1995
日本輸血学会
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ISSN0546-1448
1883-8383
DOI10.3925/jjtc1958.41.288

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Summary:福井医科大学附属病院東5階病棟(第一内科)は血液疾患患者が多く(入院患者の約7割), このため血液製剤の使用頻度も多い. 血小板輸血を含めると一日平均40~50単位の輸血が行われており, 通常の看護業務の多忙さに更に拍車をかけている. 輸血の副作用の中には死に直結する重篤なものもあり, 過誤の防止, 副作用の予防・早期発見のためには, 輸血に関する正しい知識と技術の修得が不可欠である. 今回は, 輸血の際に看護婦が果たす役割として重要な, (1)輸血の準備, (2)輸血副作用の早期発見, の2つに焦点をあてて報告する. I. 輸血の準備(過誤防止) -過誤防止策を含めた輸血の準備について- 血液型の確認と明示 (1)血液型の検査結果がでた時点で, その日の受け持ち看護婦・主治医の2名で, 検査結果を確認する. (2)医師と看護婦の2名で血液型判定結果を表示する. (1)カルテ表紙への明示, (2)患者血液型一覧版(以下「一覧版」と略す), (3)輸血クリップ, (4)ベッドサイド血液型表示プレート(以下「ベッドサイドプレート」と略す)の4表示を2名で声を出して確認し合う. 血液製剤の請求から受領まで 医師より血液製剤の請求伝票が発行されると, 看護婦は請求伝票とクロスマッチ用検体を輸血部へ送る. 輸血部では血液製剤のオーダーを血液センター対して行い, 製剤の受領とクロスマッチを行う. クロスマッチ済みの製剤を輸血当日看護婦が受領する.
ISSN:0546-1448
1883-8383
DOI:10.3925/jjtc1958.41.288