Shy-Drager症候群の起立性低血圧に対するL-threo-3,4-dihydroxyphenylserineの長期投与の効果

• Published in: 医療 Vol. 41; no. 5; pp. 464 - 468
• Main Authors: 加知, 輝彦, 川瀬, 譲, 山田, 孝子, 祖父江, 逸郎, 平山, 幹生
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 一般社団法人 国立医療学会 1987; 国立医療学会
• Subjects: Shy-Drager症候群; 起立性低血圧
• ISSN: 0021-1699; 1884-8729
• DOI: 10.11261/iryo1946.41.464

起立性低血圧を中核症状とし, 陰萎, 尿失禁, 発汗障害, 軽度の運動失調を有するShy-Drager症候群の61歳男性患者にL-DOPEを投与し, その起立性低血圧に対する長期効果を観察した. L-DOPS 600mg/日の投与により, 血圧の軽度の上昇と起立性低血圧の改善, および起立性低血圧に伴う失神発作の頻度と程度の軽減が認められた. さらに, 陰萎, 排尿障害に対しても効果があつた. これらの効果は投与直後から現われ, 今回経過を観察した90週まで持続した. その間, 多少の症状の動揺はあつたが, L-DOPS投与前よりも悪化することはなかつた. この経過観察期間中副作用は認められず, 本剤は起立性低血圧に対し, 今後, 安全度の高い有効な治療薬になりうることが示唆された.