香川医科大学附属病院における type & screen と maximum surgical blood order schedule の導入
手術のための準備血液を有効に利用し, 血液製剤の円滑な供給をはかるための方法として, T & S(type & screen)およびMSBOS(maximum surgical blood order schedule)1)2)が諸施設で導入され効果をあげている3)~5). 今回我々は, 香川医科大学附属病院において手術用血液の使用状況を調査した上で, 1994年1月よりT & Sの適応を試験的に導入した. また, 1994年11月からT & SとMSBOSを導入し, その有効性について検討したので報告する. 方法 1993年10月より12月までの手術例における...
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Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 41; no. 5; pp. 435 - 439 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会
1995
日本輸血学会 |
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Summary: | 手術のための準備血液を有効に利用し, 血液製剤の円滑な供給をはかるための方法として, T & S(type & screen)およびMSBOS(maximum surgical blood order schedule)1)2)が諸施設で導入され効果をあげている3)~5). 今回我々は, 香川医科大学附属病院において手術用血液の使用状況を調査した上で, 1994年1月よりT & Sの適応を試験的に導入した. また, 1994年11月からT & SとMSBOSを導入し, その有効性について検討したので報告する. 方法 1993年10月より12月までの手術例における出血量, 請求赤血球製剤単位数, 術中使用赤血球製剤単位数を調査し, 輸血実施率が30%以下の術式をT & S適応とし, MSBOSは平均使用単位数の1.5倍を基準に決定した7). それらに基づき, 1994年1月からT & Sを試験的に導入し, さらに1994年11月からT & SとMSBOSを導入した. 1993年7月から1995年2月までの, 手術における赤血球製剤請求量と使用量, C/T比(cross matched to transfused ratio)および附属病院全体の赤血球製剤の使用量と香川県赤十字血液センター(血液センター)への返品量を検討した. T & S, MSBOSの運営システムは, 手術10~3日前までに, ABOとRh式血液型検査と不規則抗体スクリーニング検査を行い, 希な血液型, Rh陰性血液型や不規則抗体陽性例においては, T & Sの適応外として取り扱った. 手術2日前には, 患者および検体の取り違えや不規則抗体の有無を確認するため, T & S, MSBOS例共に血液型と不規則抗体スクリーニングを再度行った. 輸血検査の時間外での対応は, 輸血部・検査部当直者にて血液型検査のみを行い, クロスマッチ検査は主治医が行うこととした. |
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ISSN: | 0546-1448 1883-8383 |
DOI: | 10.3925/jjtc1958.41.435 |