インターフェロン投与後に発病したGuillain-Barre症候群

症例は59歳, 男性. C型慢性肝炎に対しインターフェロンα(INF)を投与した後に下肢近位筋優位の筋力低下が出現した. 下肢腱反射は消失し, 髄液検査で蛋白細胞解離, 電気生理学的検査で神経根部の障害を認めたため, Guillain-Barré症候群(GBS)と診断した. INF投与後に発症したGBSの報告は本例が最初であるが, INFの副作用として末梢神経障害の報告があり, 実験的にもINFのマクロファージ活性化作用がミエリン障害を引き起こすことが示されていることから, INF投与に際してはGBSの合併に留意する必要があると考えた....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in医療 Vol. 49; no. 2; pp. 179 - 181
Main Authors 重松, 一生, 杉山, 博, 今西, 勝大
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1995
国立医療学会
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:症例は59歳, 男性. C型慢性肝炎に対しインターフェロンα(INF)を投与した後に下肢近位筋優位の筋力低下が出現した. 下肢腱反射は消失し, 髄液検査で蛋白細胞解離, 電気生理学的検査で神経根部の障害を認めたため, Guillain-Barré症候群(GBS)と診断した. INF投与後に発症したGBSの報告は本例が最初であるが, INFの副作用として末梢神経障害の報告があり, 実験的にもINFのマクロファージ活性化作用がミエリン障害を引き起こすことが示されていることから, INF投与に際してはGBSの合併に留意する必要があると考えた.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.49.179