超高齢者同時性両側性肺癌に対して, BAI併用放射線療法と胸腔鏡下拡大区域切除術を行った一例

症例は80歳男性, 右肺炎と診断され入院となった.抗生剤の投与にて肺炎は改善したが, 胸部X線写真にて右中肺野に結節を認めた.胸部CTで左S^6に径20mm大の腫瘤影を認め, B^6からの擦過細胞診検査で, class V, 腺癌と診断された.その際, 右上葉気管支入口部を閉塞する腫瘤も認められ, 同部の生検にて扁平上皮癌の診断も得た.右肺扁平上皮癌に対して, CDDPのbronchial artery infusin (BAI) (50mg/body, days 5 and 33)とUFT内服(400mg/m^2 orally, days 1-14, 29-42)を併用した放射線治療(2.0...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 20; no. 1; pp. 23 - 27
Main Authors 河崎, 英範, 饒平名, 知史, 国吉, 真行, 川畑, 勉, 上原, 忠大, 大田, 守雄, 石川, 清司, 河野, 朋哉, 上原, 忠司, 平安, 恒男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2006
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.20.23

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Summary:症例は80歳男性, 右肺炎と診断され入院となった.抗生剤の投与にて肺炎は改善したが, 胸部X線写真にて右中肺野に結節を認めた.胸部CTで左S^6に径20mm大の腫瘤影を認め, B^6からの擦過細胞診検査で, class V, 腺癌と診断された.その際, 右上葉気管支入口部を閉塞する腫瘤も認められ, 同部の生検にて扁平上皮癌の診断も得た.右肺扁平上皮癌に対して, CDDPのbronchial artery infusin (BAI) (50mg/body, days 5 and 33)とUFT内服(400mg/m^2 orally, days 1-14, 29-42)を併用した放射線治療(2.0Gy×5days/week, days 1-43, total 60Gy)を行った後, 左肺腺癌に対して, 胸腔鏡下拡大S^6区域切除を施行した(pT1N0M0).術後3ヵ月目の気管支鏡検査では, 右上葉気管支入口部の腫瘤は消失し瘢痕形成のみが見られた.また, 同部の生検, 擦過細胞診検査にても悪性所見は認められなかった.現在, 術後3年6ヵ月, 両癌とも再発なく経過良好である.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.20.23