VLDL中のアポリポプロテインEの酸化とその抑制

銅イオン (Cu2+) による超低密度リポタンパク質 (VLDL) の酸化に対するアスコルビン酸およびグリコサミノグリカン (GAG) の抑制効果について検討した. VLDL中のアポリポプロテインE (apoE) は脂質過酸化反応にともなって酸化修飾を受けて高分子化し, 凝集を形成した. 酸化修飾を受けたapoEのヘパリン結合能は著しく低下していたことから, 細胞の脂質の取り込みを調節するapoEの機能がVLDLめ酸化によって障害される可能性が示唆された. Cu2+が誘導するVLDLの脂質過酸化およびapoEの酸化修飾をアスコルビン酸およびGAGは強く抑制した. アスコルビン酸およびGAGは酸...

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Published in生物物理化学 Vol. 44; no. 4; pp. 271 - 275
Main Authors 新井, 博文, 柏木, 史郎, 古元, 礼子, 長坂, 祐二, 中村, 和行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本電気泳動学会 2000
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ISSN0031-9082
1349-9785
DOI10.2198/sbk.44.271

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Summary:銅イオン (Cu2+) による超低密度リポタンパク質 (VLDL) の酸化に対するアスコルビン酸およびグリコサミノグリカン (GAG) の抑制効果について検討した. VLDL中のアポリポプロテインE (apoE) は脂質過酸化反応にともなって酸化修飾を受けて高分子化し, 凝集を形成した. 酸化修飾を受けたapoEのヘパリン結合能は著しく低下していたことから, 細胞の脂質の取り込みを調節するapoEの機能がVLDLめ酸化によって障害される可能性が示唆された. Cu2+が誘導するVLDLの脂質過酸化およびapoEの酸化修飾をアスコルビン酸およびGAGは強く抑制した. アスコルビン酸およびGAGは酸化ストレスによるapoEの機能障害を抑制することが明らかとなった.
ISSN:0031-9082
1349-9785
DOI:10.2198/sbk.44.271