性能設計と情報公開

兵庫県南部地震の後、あのように1000年に一度というような滅多に起こらない強震に対してまで弾性設計はできないと、所謂二段階設計、つまりそのように強い地震に対しては多少の破壊はゆるすが、崩壊は許さないというように、各構造物の耐震基準は改定されつつある。つまり性能設計に移行しつつある。性能設計とは耐震に例を取れば“兵庫県南部地震程度の地震では部分的に破壊はする事もあるが崩壊はしない”という“性能”を持つ構造物を設計することである。換言すれば神戸の地震以上の地震が来れば、崩壊する事も有り得るということをはっきり謳ったという点で画期的な事なのである。国民の皆様は、或る構造物が耐震設計されていると聞けば...

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Published in地震工学研究発表会講演論文集 Vol. 25; pp. 965 - 968
Main Author 伯野, 元彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 土木学会 1999
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Summary:兵庫県南部地震の後、あのように1000年に一度というような滅多に起こらない強震に対してまで弾性設計はできないと、所謂二段階設計、つまりそのように強い地震に対しては多少の破壊はゆるすが、崩壊は許さないというように、各構造物の耐震基準は改定されつつある。つまり性能設計に移行しつつある。性能設計とは耐震に例を取れば“兵庫県南部地震程度の地震では部分的に破壊はする事もあるが崩壊はしない”という“性能”を持つ構造物を設計することである。換言すれば神戸の地震以上の地震が来れば、崩壊する事も有り得るということをはっきり謳ったという点で画期的な事なのである。国民の皆様は、或る構造物が耐震設計されていると聞けば、どんな地震にも耐えると思っている。或る程度以上の地震には耐えられませんというはっきりした情報公開が必要である。
ISSN:1884-8435
DOI:10.11532/proee1997.25.965