限局性皮質異形成を発作起源とする難治性てんかん重積を呈したキャッスルマン病の1例

症例は数年前より血中IL-6値の異常高値が確認されていた55歳男性である.痙攣発作で入院し,血中および髄液IL-6値の異常高値と,FDG-PETで左前頭葉皮質の一部に集積亢進像が確認された.同部位はしだいに脳波異常を呈し,脳生検で限局性皮質異形成と診断されたが,てんかん治療にもかかわらず,頭部MRIT2強調画像で高信号を呈して拡大した.その後,腹部リンパ節生検でキャッスルマン病と確定診断されたが,第58病日に死亡した.キャッスルマン病による慢性的なIL-6過剰分泌が,限局性皮質異形成による難治性てんかんの背景因子となった可能性が考えられた....

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Published in臨床神経学 Vol. 51; no. 7; pp. 487 - 492
Main Authors 垣内, 無一, 岩男, 悠, 木下, 英理子, 舟木, 洋, 立花, 修, 松井, 真
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2011
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Summary:症例は数年前より血中IL-6値の異常高値が確認されていた55歳男性である.痙攣発作で入院し,血中および髄液IL-6値の異常高値と,FDG-PETで左前頭葉皮質の一部に集積亢進像が確認された.同部位はしだいに脳波異常を呈し,脳生検で限局性皮質異形成と診断されたが,てんかん治療にもかかわらず,頭部MRIT2強調画像で高信号を呈して拡大した.その後,腹部リンパ節生検でキャッスルマン病と確定診断されたが,第58病日に死亡した.キャッスルマン病による慢性的なIL-6過剰分泌が,限局性皮質異形成による難治性てんかんの背景因子となった可能性が考えられた.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.51.487