ラミネートマウスガード装着が直立姿勢の重心動揺に及ぼす影響

目的: 本研究の目的は, ラミネートマウスガードの装着がスポーツに重要であるとされている静的平衡機能に及ぼす影響を明らかにすることである. 方法: 被験条件は, マウスガード非装着での咬頭嵌合位とマウスガードを装着して軽く咬合接触させる2条件とし, 各被験条件での直立姿勢の重心動揺を立位足底圧分布測定装置を用いて計測した. 計測項目は, 重心動揺の左右成分の標準偏差 (X-S.D.), 前後成分の標準偏差 (Y-S.D.) および重心移動距離である.被験条件間の統計解析には, Wilcoxonの符号付順位検定を用いた. 結果: マウスガード装着, 非装着時でのX-S.D., Y-S.D., 重...

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Published in日本補綴歯科学会雑誌 Vol. 45; no. 1; pp. 173 - 178
Main Authors 荒井, 節男, 小司, 利昭, 森田, 修己, 丸谷, 美和, 大沼, 典男, 清水, 公夫, 大沼, 智之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本補綴歯科学会 2001
日本補綴歯科学会
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ISSN0389-5386
1883-177X
DOI10.2186/jjps.45.173

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Summary:目的: 本研究の目的は, ラミネートマウスガードの装着がスポーツに重要であるとされている静的平衡機能に及ぼす影響を明らかにすることである. 方法: 被験条件は, マウスガード非装着での咬頭嵌合位とマウスガードを装着して軽く咬合接触させる2条件とし, 各被験条件での直立姿勢の重心動揺を立位足底圧分布測定装置を用いて計測した. 計測項目は, 重心動揺の左右成分の標準偏差 (X-S.D.), 前後成分の標準偏差 (Y-S.D.) および重心移動距離である.被験条件間の統計解析には, Wilcoxonの符号付順位検定を用いた. 結果: マウスガード装着, 非装着時でのX-S.D., Y-S.D., 重心移動距離の平均値と標準偏差は, マウスガード装着時では, 0.21±0.11, 0.11±0.05, 10.34±4.25cmであり, マウスガード非装着時では, 0.21±0.12, 0.10±0。05, 11.74±4.43cmであった. 検定の結果, すべての計測項目でマウスガード装着とマウスガード非装着間について有意な差を認めなかった. 結論: 以上のことより, ラミネートマウスガードの装着は, スポーツに重要であるとされている静的平衡機能に悪影響を及ぼすものではないことが示唆された.
ISSN:0389-5386
1883-177X
DOI:10.2186/jjps.45.173