中年齢ビーグル犬にrhBMP-2を応用した場合の歯周組織再生
本研究は, 歯周病罹患率の高まる中年齢患者の歯周組織再生にrhBMP-2を応用することを想定して, 中年齢ビーグル犬 (6歳齢) の下顎前臼歯部頬側に水平性歯槽骨欠損を作製し, rhBMP-2配合ポリ乳酸グリコール酸共重合体/ゼラチンスポンジ複合体 (PGS) 移植 (MB群) とPGS移植 (MP群) を行った。また, 中年齢群と比較するために, 若年齢ビーグル犬 (14カ月齢) に対して, 同様にrhBMP-2配合PGS移植 (YB群) とPGS移植 (YP群) を行った。移植12週後に, 病理組織学的観察および組織計測を行った。その結果, MB群の歯槽骨新生率は, 42±19%で, YB...
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Published in | 日本歯周病学会会誌 Vol. 45; no. 1; pp. 33 - 42 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
2003
日本歯周病学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0385-0110 1880-408X |
DOI | 10.2329/perio.45.33 |
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Summary: | 本研究は, 歯周病罹患率の高まる中年齢患者の歯周組織再生にrhBMP-2を応用することを想定して, 中年齢ビーグル犬 (6歳齢) の下顎前臼歯部頬側に水平性歯槽骨欠損を作製し, rhBMP-2配合ポリ乳酸グリコール酸共重合体/ゼラチンスポンジ複合体 (PGS) 移植 (MB群) とPGS移植 (MP群) を行った。また, 中年齢群と比較するために, 若年齢ビーグル犬 (14カ月齢) に対して, 同様にrhBMP-2配合PGS移植 (YB群) とPGS移植 (YP群) を行った。移植12週後に, 病理組織学的観察および組織計測を行った。その結果, MB群の歯槽骨新生率は, 42±19%で, YB群と同程度であり, MP群 (14±8%) よりも有意に大きかつたp<0.01)。セメント質新生率は, YB群 (56±21%) はYP群 (33±12%) よりも有意に大きかったが (p< (0.05), MB群 (42±13%) はMP群 (28±8%) よりも大きい傾向を示したものの統計学的有意差はなかった。以上の結果から, 中年齢ビーグノレ犬の歯周組織にrhBMP-2配合PGSを移植することにより, 若年齢と同様に, 担体のみの移植に比べ歯槽骨新生量を増加させることが明らかとなった。また, セメント質新生については, 若年齢では増加させるが, 中年齢では増加は明らかではなかった。 |
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ISSN: | 0385-0110 1880-408X |
DOI: | 10.2329/perio.45.33 |