ヒト病理解剖例歯周組織の準連続非脱灰研磨標本を用いた病理組織計測学的研究
本研究の目的はヒトの30顎骨91歯牙129隣接面歯周組織の準連続非脱灰標本を用いてBiological width (歯周ポケット底部と歯槽骨頂の間の歯軸に平行な距離) および新しく設定したPathobiological width (歯周ポケット底部と歯槽骨のシャーピー線維付着部歯冠側端の間の歯軸に平行な距離) を計測し, 炎症の進展に伴った歯周組織各部位の破壊の相互関係を明らかにすることである。 炎症の進展と年齢には関連性が認められた。炎症の進展に伴ってPathobiological widthは有意な変化を示さなかったが, 歯槽骨々髄内への炎症の波及に伴ってBiologicalwidth...
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Published in | 日本歯周病学会会誌 Vol. 33; no. 1; pp. 56 - 68 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
1991
日本歯周病学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0385-0110 1880-408X |
DOI | 10.2329/perio.33.56 |
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Summary: | 本研究の目的はヒトの30顎骨91歯牙129隣接面歯周組織の準連続非脱灰標本を用いてBiological width (歯周ポケット底部と歯槽骨頂の間の歯軸に平行な距離) および新しく設定したPathobiological width (歯周ポケット底部と歯槽骨のシャーピー線維付着部歯冠側端の間の歯軸に平行な距離) を計測し, 炎症の進展に伴った歯周組織各部位の破壊の相互関係を明らかにすることである。 炎症の進展と年齢には関連性が認められた。炎症の進展に伴ってPathobiological widthは有意な変化を示さなかったが, 歯槽骨々髄内への炎症の波及に伴ってBiologicalwidthは短縮した。この結果から炎症の進展に伴って歯周ポケット深化, 歯根膜の破壊, 歯槽骨頂の吸収および接合上皮の深行増殖などの組織破壊が異なった早さで進行すると推定された。 |
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ISSN: | 0385-0110 1880-408X |
DOI: | 10.2329/perio.33.56 |