赤血球成分採血に関する検討

「はじめに」欧米では自動成分採血装置を用いて赤血球成分採血法(Erythrocytapheresis:RBCa)により赤血球成分(RBC)2単位(わが国の4単位相当)採取あるいはRBCと他成分(血漿又は血小板)との同時採取が定着しつつあり1)2), 2~3年後には赤血球確保量の20%近くがRBCaによるとの予想もある3). 今回, われわれは全血600ml(3単位)に相当するRBCをRBCaにより採取する, 多施設共同研究を行ったので報告する. 方法 検討は6施設で行ない, 対象者は下記の採血条件に該当し, 文書による同意を得た者で, 人数は各施設5~8人とした. 採血条件は, (1)成人男性...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 52; no. 1; pp. 44 - 51
Main Authors 比留間, 潔, 小松, 文夫, 神谷, 忠, 山本, 定光, 清水, 勝, 前田, 義章, 柴田, 弘俊, 池田, 久實
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 2006
日本輸血学会
Online AccessGet full text
ISSN0546-1448
1883-8383
DOI10.3925/jjtc1958.52.44

Cover

More Information
Summary:「はじめに」欧米では自動成分採血装置を用いて赤血球成分採血法(Erythrocytapheresis:RBCa)により赤血球成分(RBC)2単位(わが国の4単位相当)採取あるいはRBCと他成分(血漿又は血小板)との同時採取が定着しつつあり1)2), 2~3年後には赤血球確保量の20%近くがRBCaによるとの予想もある3). 今回, われわれは全血600ml(3単位)に相当するRBCをRBCaにより採取する, 多施設共同研究を行ったので報告する. 方法 検討は6施設で行ない, 対象者は下記の採血条件に該当し, 文書による同意を得た者で, 人数は各施設5~8人とした. 採血条件は, (1)成人男性, (2)体重は58kg以上, (3)現行の400ml全血採血と成分採血の両基準に該当, (4)採血後のヘモグロビン(Hb)の理論値, {〔(採血前Hb値×循環血液量(circulating blood volume:CBV))-採取血液総Hb量〕÷CBV}は11g/dl以上(全血200ml採血後のHb値), (5)採血中の一過性の体外最大循環血液量(体外循環血液量とバック内採血量の合計:extra-corporeal circulating blood volume:ECBV)がCBVの20%以下, (6)最終採血量がCBVの15%以下, および(7)採血直後のHbの低下予測値は, 自己血採血後に相当する2~3g/dlを目安とした. なお, CBVの算出は, 小川, 藤田の式4)によった.
ISSN:0546-1448
1883-8383
DOI:10.3925/jjtc1958.52.44