Multiple lymphomatous polyposis様の胆嚢病変を来したマントル細胞リンパ腫の1例

症例は65歳の女性. 頸部の腫大したリンパ節の生検により悪性リンパ腫(B-celltype)と診断され, 精査を進めたところ胆嚢壁の肥厚を指摘された. 胆嚢壁は小結節の多発した不規則な肥厚を示しており, 胆嚢癌を疑い胆嚢摘出術を施行した.胆嚢粘膜にはmultiple lymphomatous polyposisを思わせる小結節がび漫性に集籏していた. この所見は, 術前の画像診断ではMRCPに最も良くとらえられていた.免疫組織化学的検索により, 胆嚢の病変はマントル細胞リンパ腫と診断された.本症は時に消化管にmultiple lymphomatous polyposisを生じることで知られてい...

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Published in胆道 Vol. 19; no. 4; pp. 505 - 510
Main Authors 一二三, 倫郎, 横溝, 博, 平田, 稔彦, 山根, 隆明, 福田, 精二, 吉田, 稔, 川口, 哲
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 2005
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando1987.19.4_505

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Summary:症例は65歳の女性. 頸部の腫大したリンパ節の生検により悪性リンパ腫(B-celltype)と診断され, 精査を進めたところ胆嚢壁の肥厚を指摘された. 胆嚢壁は小結節の多発した不規則な肥厚を示しており, 胆嚢癌を疑い胆嚢摘出術を施行した.胆嚢粘膜にはmultiple lymphomatous polyposisを思わせる小結節がび漫性に集籏していた. この所見は, 術前の画像診断ではMRCPに最も良くとらえられていた.免疫組織化学的検索により, 胆嚢の病変はマントル細胞リンパ腫と診断された.本症は時に消化管にmultiple lymphomatous polyposisを生じることで知られているが, 胆嚢にこのような病変を伴ったという報告は今までにない.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando1987.19.4_505