自己血輸血の周術期輸血に及ぼす影響
自己血輸血は次第に多くの施設で導入されつつある1). 当部でも1991年5月31日現在, 395例の症例を経験した. そこで自己血輸血の導入が, 周術期の輸血にどのような影響を及ぼしたかについて検討した. II, 対象と方法 1987年11月2日より1991年5月31日までに当部に紹介された395例を対象とした. 内訳は心臓血管外科153例, 整形外科115例, 婦人科46例, 口腔外科37例, 泌尿器科17例, 一般外科16例, 小児科4例, 内科3例, 耳鼻咽喉科2例, 脳神経外科1例, 皮膚科1例であった. 貯血は基礎疾患, 年齢, 体重, 貯血開始前ヘモグロビン(Hb)値, 患者の全身...
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Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 37; no. 5; pp. 656 - 660 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会
1991
日本輸血学会 |
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Summary: | 自己血輸血は次第に多くの施設で導入されつつある1). 当部でも1991年5月31日現在, 395例の症例を経験した. そこで自己血輸血の導入が, 周術期の輸血にどのような影響を及ぼしたかについて検討した. II, 対象と方法 1987年11月2日より1991年5月31日までに当部に紹介された395例を対象とした. 内訳は心臓血管外科153例, 整形外科115例, 婦人科46例, 口腔外科37例, 泌尿器科17例, 一般外科16例, 小児科4例, 内科3例, 耳鼻咽喉科2例, 脳神経外科1例, 皮膚科1例であった. 貯血は基礎疾患, 年齢, 体重, 貯血開始前ヘモグロビン(Hb)値, 患者の全身状態等を考慮し, 週1回4℃液状保存法で行った. 単純貯血法を原則としたが, 術前までに時間的余裕のある患者には戻し輸血法(蛙跳び法, スイッチバック法)を行い, 十分な量の確保に努めた. なお鉄剤は, 血清鉄(Fe)値, フェリチン(Ft)値を参考に適宜投与した. III. 結果 症例数の増加 症例数は年々増加し, 1991年は5月31日現在血液を準備して待機手術に臨んだ症例の17%(82/477)になっている(図1). 主な科では心臓血管外科32%(13/41), 整形外科50%(19/38), 婦人科31%(32/103), であった. |
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ISSN: | 0546-1448 1883-8383 |
DOI: | 10.3925/jjtc1958.37.656 |