ステロイドに反応せずメソトレキセート追加投与により改善した心サルコイドーシスの一例

症例は70歳, 女性. 1997年9月に視力障害が出現した. 同年12月に当院眼科を受診し, 両眼ぶどう膜炎と診断された. 血中リゾチーム, ACEの高値, ツベルクリン反応陰性を認め, 右膝の皮膚の結節性病変の生検で類上皮細胞肉芽腫を認め, サルコイドーシスと診断した. 1988年1月9日の心電図で, 以前は認められなかった完全右脚ブロックが出現していた. 心臓カテーテル検査, 心筋生検では肉芽腫は認めなかったが, 心サ症 (臨床診断群) と診断. ステロイド治療をしたが, 改善なく, 1998年5月下旬よりメソトレキセート少量長期投与療法を追加した. 約6ヵ月の治療にて完全右脚ブロックは消...

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Published inサルコイドーシス/肉芽腫性疾患 Vol. 19; no. 1; pp. 45 - 49
Main Authors 沖, 良生, 仁田, 正和, 小林, 正, 水谷, 浩也, 岩城, 正佳, 森下, 宗彦, 渡部, 和近, 楊, 山鐘, 櫻井, 英一, 新田, 悠紀子, 加藤, 晴通, 川尻, 智子, 中川, 順市, 宮良, 肇
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会 1999
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ISSN1345-0565
1884-6122
DOI10.14830/jssog1999.19.45

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Summary:症例は70歳, 女性. 1997年9月に視力障害が出現した. 同年12月に当院眼科を受診し, 両眼ぶどう膜炎と診断された. 血中リゾチーム, ACEの高値, ツベルクリン反応陰性を認め, 右膝の皮膚の結節性病変の生検で類上皮細胞肉芽腫を認め, サルコイドーシスと診断した. 1988年1月9日の心電図で, 以前は認められなかった完全右脚ブロックが出現していた. 心臓カテーテル検査, 心筋生検では肉芽腫は認めなかったが, 心サ症 (臨床診断群) と診断. ステロイド治療をしたが, 改善なく, 1998年5月下旬よりメソトレキセート少量長期投与療法を追加した. 約6ヵ月の治療にて完全右脚ブロックは消失, プレドニンも10mgまで減量できた. メソトレキセート少量長期投与療法はステロイド抵抗性心サ症に有効な治療法と考えられた.
ISSN:1345-0565
1884-6122
DOI:10.14830/jssog1999.19.45