臓器提供に関する国立病院の意識調査

高度先進医療の一つに臓器移植医療の推進が挙げられている. 国立病院・療養所が臓器提供・移植に対してどのような見解を持っているかを把握することは推進活動において重要な課題である. 臓器移植に関する意識調査を国立病院93施設に行うと, 91.8%の施設が移植推進に賛同しているが, 情報不足・人材不足および精神的負担を実際に実行する場合の問題に挙げていた. また新設されたネットワークのシステムが十分に理解されていないことも明らかになった. 今後, 新システムの情報を積極的に提供し, 移植(ドナー)コーディネーターの存在および業務の理解を求め, 移植コーディネーターの院内活動などに対する協力が得られる...

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Published in医療 Vol. 50; no. 6; pp. 454 - 459
Main Author 田中, 信一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1996
国立医療学会
Subjects
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.50.454

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Summary:高度先進医療の一つに臓器移植医療の推進が挙げられている. 国立病院・療養所が臓器提供・移植に対してどのような見解を持っているかを把握することは推進活動において重要な課題である. 臓器移植に関する意識調査を国立病院93施設に行うと, 91.8%の施設が移植推進に賛同しているが, 情報不足・人材不足および精神的負担を実際に実行する場合の問題に挙げていた. また新設されたネットワークのシステムが十分に理解されていないことも明らかになった. 今後, 新システムの情報を積極的に提供し, 移植(ドナー)コーディネーターの存在および業務の理解を求め, 移植コーディネーターの院内活動などに対する協力が得られるように働きかけることが推進に結びつくと考えられる. そして, 国立病院・療養所においても移植施設を中心に病院間で情報交換を行い協力体制を作り上げて行く必要があると認識された.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.50.454