ライノグラフによる定量的鼻誘発試験

1. 鼻粘膜誘発反応の状態をグラフで表わすことができた. 2. これらの鼻粘膜誘発反応曲線をパターン別に分類し,正常型,漸増型,遅発漸増型,山型,山谷型,急増急減型の6型に分けた. 3. ハウスダスト症例でも花粉症症例でも,抗原の相違による差はみられず,6型のいずれかに分類された. 4. 従来,偽陽性と判定されたもののうちで,急増急減型に属するものは誘発反応陰性であった. 5. 鼻粘膜誘発反応曲線の解析を行い,誘発直前の鼻呼吸抵抗Rrs•N,鼻粘膜の反応性を反映するΔRrs•Nおよび鼻粘膜の感受性を表わすTaの3つのパラメーターを抽出した. 6. 急増急減型,山谷型の一部,およびRrs•Nが初...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 87; no. 2; pp. 160 - 168
Main Authors 内山, 真理, 司, 明理, 岩田, 章男, 臼井, 信郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 1984
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.87.160

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Summary:1. 鼻粘膜誘発反応の状態をグラフで表わすことができた. 2. これらの鼻粘膜誘発反応曲線をパターン別に分類し,正常型,漸増型,遅発漸増型,山型,山谷型,急増急減型の6型に分けた. 3. ハウスダスト症例でも花粉症症例でも,抗原の相違による差はみられず,6型のいずれかに分類された. 4. 従来,偽陽性と判定されたもののうちで,急増急減型に属するものは誘発反応陰性であった. 5. 鼻粘膜誘発反応曲線の解析を行い,誘発直前の鼻呼吸抵抗Rrs•N,鼻粘膜の反応性を反映するΔRrs•Nおよび鼻粘膜の感受性を表わすTaの3つのパラメーターを抽出した. 6. 急増急減型,山谷型の一部,およびRrs•Nが初めから高い症例では解析できなかった. 7. 初めから鼻呼吸抵抗の高いものほど鼻粘膜誘発反応による鼻呼吸抵抗の上昇程度が強く現われた.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.87.160